AURA 〜魔竜院光牙最後の戦い〜

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    土曜に封切りになった、「AURA 〜魔竜院光牙最後の戦い〜」見てきました!

    原作は「人類は衰退しました」でおなじみ田中ロミオ先生。
    今回の「AURA」は同じ製作スタッフが作ったということでなかなか楽しみにしてましたが……

    いやはや、原作未見でしたが、実に胸に刺さる、それでいて素晴らしい作品でした

    一見普通の男子高校生、佐藤一郎は、ある夜に青い衣に身をまとった
    魔法使いに見えなくもない不思議な少女に出会うのですが、この少女がクセモノ。
    冒頭の異世界バトルもあいまって、「えっ、この子はファンタジー世界の住人なのかしら?」と
    思っていましたが、全然違うというか、ある意味で空想の住民というべきか。

    この少女、佐藤良子は、ガチのマジキチレベルで妄想なりきり系中二病を煩っている子なんですね。
    しかもこの良子を発端として、クラス内に妄想漬かり全開の生徒達が次々と出現。
    いや、もう、見ていて笑える展開なのですが、ところが、そうも言ってられない。

    この作品のモチーフのひとつは「中二病」なんですが、
    もうひとつのモチーフが「スクールカースト」でもあります。

    そう、中二病に浸っている彼らは目立つけど本来マイノリティで、
    「ごくノーマルな生徒達」「ちょっとヤンキーな生徒達」からすると、
    このうえなくウザくてキモくて理解不可能な存在なんですよね。

    だから排斥しようとする。嫌がらせをする。
    特に言動からして世界をとことん拒絶する良子は、目の仇にされて、いじめられます。
    そんな良子を最初はしぶしぶ、やがて進んでかばうようになる一郎。
    ところが、そんな一郎の言葉の端々からは、単純な義侠心ではない感情が滲んでいて……

    まあ、これ以上スジを話すのは野暮ってもので、気になる方は劇場へ、なのですが。

    当初はファンタジーなのかな?と見始めた身としては、学校生活の現実を、
    それも「マイノリティには冷たくて苦しい学校生活」を見せつけられて、
    実に心にグサグサと刺さってきます。

    妄想に浸ってそれをひけらかすドリームソルジャー達が痛々しい。
    ノーマルなマジョリティ側からイジメを受ける良子が痛々しい。
    そしてそれをかばおうとして自分の傷をえぐられる思いの一郎も痛々しい。

    そう、この作品はとても刺さってきて、痛々しいのです
    中二病を扱った作品としては、最近では「中二病でも恋がしたい」がありましたが、
    あれはコメディかつマイルドで、中二病患者でも楽しく学園生活をおくれていました。

    ところが、現実はそうじゃない。マイノリティに現実はそんなに優しくない
    100%ハッピーな学校生活を送ってこられた人間なんてそうそういないわけですが、
    特にサブカルにハマるオタ系にとっては、多少とも身に覚えがある経験や感情を
    この作品は掘り起こして蘇らせてきます。

    ですが、途中の息苦しいばかりのシリアスがあってこそ、
    クライマックスでの良子の気持ちが痛切に共感できるし、
    彼女を止めようとする一郎が「封印」を解いて必死に立ち向かう姿には、
    思わず拳を握って応援してしまうのです。

    そして、事件が終わった後、エンドロール後の二人の表情に
    ほっとして、そしてすがすがしい気持ちになれるのでありましょう。

    この作品のモチーフは、「中二病」と「スクールカースト」。
    ですが、テーマは王道の「ボーイミーツガール」で「青春のお話」です。

    娯楽に徹したエンターテイメントじゃありません。手放しで楽しめる作品でもありません。
    ですが、特にマイノリティだった覚えがある人、あるいは現在進行形でマイノリティな人には
    とても「刺さってきて」そして「共感」できる作品
    ではないかと思います。

    上映がテアトル系ということで公開劇場が限られているのが難点ですが、
    映画館にいけない人はぜひディスクを購入かレンタルかして見てほしい作品でした。








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