こんばんは、Ticoさんです。
今月誕生日ということで、マイプレゼントが本日届きました!
先の年末年始に東京で開かれていた「転天」POPUPSHOP、
そこで販売されていたB2タペストリーの事後通販が届いたのです!
前々から待ち遠しかったのですが、やっと部屋に飾れて満足ゥ……
というわけで今回のブログ記事は
「またまた追加で転天のタペストリー買ってみた」
でございます。タペストリー絵柄の感想とか飾ってみた感想とか徒然に。
なお、前回のタペストリー記事はこちらからご笑覧ください。
■イラストについて思うところを
さて、下記の告知ツイートにあるように、
このバニー姿のユフィアニ、POPUPSHOP向けの描き下ろしなんですよね。
前回のPUのチャイナドレスと同じ感じ。
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— メディコス・エンタテインメント_総合 (@medicos_et_02) December 1, 2023
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(1/2) pic.twitter.com/btZL1ky2LG
バニーなのでセクシー系なんですが、いわゆるスーツでないのが
世界観的にもイイ感じですね。セクシー系バニードレス感。
どちらもミニスカートに二―ハイソックスで絶対領域が眩しいのですが、
露出で言うとアニスの方が結構大胆なのが「いかにも」感ありますね。
おへそ出しているし、ビスチェの脇が編み上げになっているし……
ただ、もちろん「ユフィアニ」ですから、
この姿のアニスをどうこうするのはユフィだけの特権ですよ?
きっとノリノリで編み上げ紐解いたりしたんだろうなあ。
対してユフィはおとなしめに見えて……
腕はまるっと肌を見せているのが結構大胆ですよね。
スカートは前短め後ろ長めで、セクシーさと慎ましさを両立させた、
いかにも彼女らしいセレクトです。
どういう状況でこういう恰好したんだろうか、とか考えたんですが。
さすがに人前ではやらないでしょうから、離宮内の身内向けの
びっくりパーティでお披露目したんでしょうか。
ほら、後で間違いなくイリアさんとレイニに怒られるヤツですよ。
■そして飾ってみた
はい、前から場所は確保しておいたんですよ。
というか物理的にもうここしかスペースがない。
タペストリーが縦デザインなら泣いてるところでした。
【見上げるとバニードレスのユフィアニ。眼福、眼福でございます】
【モニター前の景色がこんな感じ。転天の圧がすごいぞ!】
なお、このサイドにもさらに転天タペストリーが飾ってあるので、
壁全体の火力がすごいです。なんか百合の力でビッグバン起きそうだよ。
そういえば、事後通販買った特典で、うれしいことに
ポストカードもいただきまして。これも飾ってみました。
【もーちょいフレームに凝りたいですよねえ】
いやー、しかし、これでもう物理的にスペースは無いから、
新規購入は打ち止め……と思いたいですが、
出てきてデザインが良かったら、また買うんだろうなア。
次どこに飾ろうか? 本格的に部屋の模様替えするか?
そんなこんなで転天推しのタペストリー買い感想でした。
応援しているからアニメ二期来ませんかねえ……待ってます!!
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年度末、お仕事がいそがしくてブログも更新滞りがち。
いや、元から不定期更新ですが、これの感想は早めに書いておかねばと思った!
昨年、作品が次々とアニメ化されたFUNA先生の期待の新刊、
「ろうきん8」原作小説最新刊が発売されました!!
ドレス姿のミツハが凛々しい&カワイイ。胸はないけど美人顔立ちさんだよね。
というわけで今回のブログ記事は、
「読書レビュー:『ろうきん8』原作小説9巻 読了! 」
と題してこれまた感想を徒然に綴ってみたいと思います。
なお、前作8巻の感想記事はこちらからご笑覧ください。
■世界を股にかけるグレートプリテンダー……?
さて、たびたび言ってますが、FUNA先生の作品シリーズの中で、
「ろうきん8」のミツハは一番詐欺師な印象が強い主人公です。
本人はだましているつもりはないんだろうけど、
素性を詐称して色んな顔を使い分けて地球も異世界も股にかけて
大勝負を張るのが本作の醍醐味であります。細けぇことはいいんだよ!
ただ、詐欺師というには人情に篤い子でもあって、
そのあたりで弱みを衝かれて個人的な窮地に陥ったり、
あるいは善行を大々的にやってみたりが、また愉快だったりします。
今回も
ボーゼス伯令嬢ベアトリスちゃんの社交界デビューで奔走したり、
帝国の蠢動に応じて結局隣国の危機を救ったり、
地球でマネーロンダリングに使っている店員の誕生日を祝ったり、
はたまた新大陸の傘下の商会が襲われたら報復に出たり……
怖いもの知らずでありながら、抜けたところがあり、
そして(大事なので再度)結構人情に篤いので、
そのあたりが気ままに振る舞いながらも自然と憎めないキャラですね。
気ままと言いつつ、結構コレットとサビーネには
徐々に押されてきてるよね……まあ、この子達は共犯関係に近いけど。
共犯と言えば、ウルフファングさん達も今回出番があるのが嬉しい。
ミツハにとって地球での一番の理解者で味方よね、いい連中だ。
比べてみると「のうきん」のマイルはもっと能天気ですし、
逆に「ポーション頼み」のカオルはもっと慎重で現実的。
FUNA先生の主人公ガールはみんなぺったんガールズ、
かつ、結構おっさん趣味で自由気ままなところが共通ですが、
やはりそこはミツハはミツハならではの持ち味がありますね。
■個人的にはAudible版もオススメしたい!
さて、この「ろうきん8」ですが、個人的にはAudible版をおススメしたい!
本作はミツハのモノローグが地の文にあって、結構それが楽しいんですが、
アニメによる映像化ではそのあたりの妙味が十分に活かせてなかった感があります。
しかし、Audible版の「ろうきん8」では平井祥恵さんのナレーション、
というか一人芝居がホントに決まっていて、聴きながら
「おお、これぞまさにミツハ!」と感動すること請け合いです。
……なんかちょっと腹立つ喋り方までまさにイメージそのままだ!
というところで、さくっと感想書いてみました。
アニメ二期は難しいでしょうけど、アニメ化範囲以後、
子爵領を得てからの活躍(暗躍?)ぶりがホントに楽しいので、
「ちょっと気になってるなあ」という方はぜひぜひ。
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2/20は二重にめでたい日でございます。
ひとつは「転天」シリーズの新作が出たから。
そしてもうひとつは、「転天」タッグの新作が出たから!
著:鴉ぴえろ先生、挿絵:きさらぎゆり先生、という転天タッグで始まる新シリーズ、
『聖女先生の魔法は進んでる!」第1巻が発売でございます。ぱちぱちぱち。
というわけで発売日の深夜にさっそく電書で読んだ感想を、
「『聖女先生の魔法は進んでる!』新作第1巻感想!(少しネタバレ)」
と題して、ブログ記事で感想を徒然に綴ってみようかな、と。
なお、同日発売の「転天」第8巻の感想記事はこちらからご笑覧ください。
■オープニングのボケツッコミからして楽しい
さて、本作のオープニングからして、まず面白い。
聖都に向かう聖女先生ティアと、一番弟子トルテとの、
道中会話から始まるんですが……
遣り取りからして明らかにボケ役のティア先生と、
ツッコミ役のトルテという漫才のような会話劇が読んでて微笑ましい。
ただ、会話の中で実はティア先生がトンデモなことをしてるのが明らかになり、
このティア・パーソンという聖女先生のすっとぼけ系天然強者っぷりに、
Ticoはまず惹かれました。
まあ、あとから教え子が追加になると、トルテも感覚おかしいのが分かって、
ボケ二枚になったりするドミノ倒しが面白いんですが。
■教え子たちのリアクションから窺う聖女先生の心情
さて、本作は聖女先生ティアの視点で物語が綴られるのに、
ティア自身の感情はあまり目立って描かれないのがポイントです。
過剰に感情を昂らせることがいまのところないんですよね。
だから、ティア目線でのお話にも関わらず、
教え子たちのリアクションや、彼女たちとの会話で、
読者自身にティア・パーソンという聖女のトンデモぶりが明らかになっていきます。
このあたりの描写の妙はなかなか唸らされるものがあり、
ティア目線で教え子たちの成長を見守る視点を与えられつつ、
物語っているティアなる聖女はどんな人か、読者に巧妙に開示されていく、
「手札が明らかになっていくドキドキ感」がたまらないのです。
■聖女の魔法に対する解釈や構築に唸らされる
本作では「聖女」という存在が、聖魔法を扱う術者として敬われていますが、
本来は支援や回復といったバックアップ要員として捉えられるのが聖女。
ところがティア先生は、聖魔法を独自解釈で魔改造して、
トンデモな効果を発揮してみせます。
聖魔法には「浄化」「結界」「祝福」という3つの力があるのですが、
これを独自に組み合わせたり、従来の用途とは違った解釈で使ったりして、
徒手空拳でもティア先生は人外かと思われる力をふるうことができます。
このあたりの魔法理論の組み立ては、『転天』でもおなじみですが、
本作ではより分かりやすく解説されていて、思わずうならされるところです。
■教え子たちがまた可愛い&いじましい
さて、本作の魅力はなによりも聖女ティアの教え子たちでしょう。
一番弟子のトルテ。
魔国の皇女で竜の血脈を引くエミーリエ。
聖国の王女たるアンジェリーナ。
まずトルテは一番背が低いながらも、ティア先生の一番弟子だけあって、
先生の教えがトンデモ系だと知りつつ、割とその方式に染められてるのがミソ。
オープニング後は彼女もボケに回るパターンが出てきます。
トルテは一番素直で純真、一生懸命な「バニラ娘」感あるのですが、
なにげに彼女の出自は第1巻では明らかになっていなくて、謎が後々引きそう。
エミーは赤毛で角付きの元気っ子。腕っぷしに自信ありなのもポイント。
彼女は冒頭からティア先生につっかかっていくので出番も目立ち、
結構人気出そうな感じのキャラ造形していますねえ。
ティア先生との手合わせを経ながら、先生の実力を思い知って、
ついてくるようになるシンプルだけど分かりやすい性格しています。
アンジェが1巻途中まで謎ッ子だったんですが、
そこで事件が起き、ティア先生とは因縁持ちだったことが明らかになります。
ただ、その因縁が明らかになると同時に、ティア先生の過去も開示され、
聖女ティアがなぜこんなトンデモになったかの想いの根源も描かれます。
この教え子たちが、ティア先生のもとに集まり、
最初は互いにぎこちなかったのが徐々にまとまるようになり、
サポートし合うようになって――ティア先生の理念に共感して、
彼女の目指すところについていくまでの高まりっぷりが、読んでてグッと来ました。
■なぜ聖女先生は異端(トンデモ)になったのか
もっとも優秀な聖女と称えられつつ、すぐに異端とされて辺境へ追いやられた、
聖女先生ティア・パーソン。
彼女がトンデモなほど力を追究し、聖魔法を魔改造しちゃった原因と言うのが、
四年前の悲しい事件と、この世界の舞台設定が深くかかわっています。
ちょっと間違えば、ティア先生って、乙女の皮をかぶった
「血闘神」裸獣汁外衛賤厳なんですよ……ダンジョン単独踏破ってなんじゃい。
このあたりはぜひ本作を実際に目を通してご確認いただきたいです。
特に世界の歪みである「ダンジョン」という存在が、
かなり重要な要素になってきますし、クライマックスも
禁域とされるドラドット大霊峰の攻略という熱い展開なのでございます。
しかしクライマックス前に思わず脳裏に
コンテンツ開放
禁域踏破 ドラドット大霊峰
というテロップが出てしまったのはここだけの話なFF14脳のTicoです。
■革命じゃなくて反乱? 気になるお話の展開
さて、ティア先生のダンジョン攻略、実は聖国のいまの政策とは反しているんですよね。
だからこその異端認定だと言えますが、ティア先生の決意は固く、
自分達の実績を見せることで、現政策を改めさせようとしています。
『転天』が革命なら、さながらこちらは反乱(レベリオン)といった風情。
そう考えると、すっとぼけ系天然最強キャラなティア先生、
実は結構考えて「これしかない」と思い切って行動に出てる感あります。
そして、話は聖女ティアと教え子たちのささやかな反乱の狼煙で幕を開けるのか、
と思いきや、1巻のエンディングチャプターでまさかまさかの展開ですよ。
どうも力づくでは解決できそうにない陰謀の匂いも漂ってきて、
はたしてティア先生と教え子たちはこれからどうなるのか!?
って気になるところで2巻が早くも待ち遠しいところです。
というわけで、『聖女先生の魔法は進んでる!』第1巻の感想でした。
いや、転天タッグの新作と言うことで期待していましたが、
予想外の方向に予想外に良いものをお出しされて驚きと満足感はんぱない。
『転天』とはまた異なる形ながら、実に熱いストーリーでございます。
これからティア先生の理念が、聖国王宮の意向とぶつかったり、
エリーやアンジェの身分がまた絡んできたり、トルテがそれであわあわしたり、
隠された陰謀が触手を伸ばしてきたりしそうですが、
これはたぶんどう転んでも面白いぞ! 続きはいつでしょう、期待大です!!
]]>こんばんは、Ticoです。
月曜夜の深夜1時ですが、興奮の冷めやらないまま、ブログ書いてます!
なぜなら「転天」の小説版新作が発売されたからー!!
電書派のわたしは0時になると速攻でkindleを更新かけまくって、
読みふけり始めました。いやあ、今回もページをめくる手が止まらぬ止まらぬ。
というわけで今回のブログ記事は、
「書籍版『転生王女と天才令嬢の魔法革命』最新第8巻感想!(少しネタバレ)」
と題して、感想を徒然なるままに書いてみたり。若干のネタバレあるのでご注意ください。
なお、前作7巻の感想記事はこちらからご笑覧くださいませ。
■不穏で始まるSIDE:ユフィ
前作7巻が魔学都市建設と騎士団長就任に伴うSIDE:アニスの話でしたが、
今回は時間軸が少しダブりながらも続きを扱うSIDE:ユフィの話ということで、
主にユフィ視点で話が進んでいきます。というかアニス視点はオープニングだけな気が?
逆に言えば、ユフィリアの世界ってこんなふうに見えているんだ、と
新鮮な驚きがありましたね。
そんなSIDE:ユフィの第8巻、
とあることでユフィが体調を崩すところから始まります。
それもただの体調不良じゃない、精霊契約者ならではの症状で、
読んでいて結構鳥肌の立つ不吉を感じさせるものでした。
■精霊と竜、キレると怖い二人
今回の事件は、西部の貴族がユフィの逆鱗に触れたことが発端となります。
ユフィがブチギレた時の描写も怖かったですが、それもアニスが関わる問題だからこそ。
そしてまあ、もっと怖いのがアニスだった。
「愛するユフィをそこまで怒らせて、なおかつ自分も舐められた」と感じたアニスが、
これまたブチギレるんですよ。ユフィが慌てるぐらいに。
ここで二人のキレ具合に注目すると面白い。
根っこは互いを大切に想う気持ちと、腐敗した貴族層への呆れがあるんですが、
ユフィはまだ純粋にアニスを慕い想うばかりに怒ったのに対して、
アニスは長年蓄積してきた鬱憤や鬱屈が溜まっている分、
むしろ爆発するとおっかないのは実はアニスの方だっていう。
このあたり、書籍版でずっとおいかけていると、
主人公アニスの心情変化も読み取れていいですね。
かつては奇天烈王女で良しとしていた彼女が、真っ当に怒るようになってきた。
それは心の鎖をユフィにほどいてもらった証左なんですよね。
しかし、二人がキレるシーンはそれぞれに迫力あって、
読んでてなかなか鳥肌が立ちました。
いや、見た目こそ可憐な少女たちですけど、彼女たち、精霊と竜ですからね?
作中で「国を滅ぼしかねない」と言われてましたけど、誇張でもなんでもなく。
■フォローに回る意外な人物たち
そんな危なかっしいアニスとユフィのフォローに回るのが、意外な人物。
ここはネタバレになってしまいますが、ひとりはリュミエルで、もうひとりはレイニ。
この二人のためだけに幕間が設けられているぐらい、本巻ではキーパーソンです。
リュミエルは「人であった人ならざる者」「歴史を見守ってきた者」という立場から
アニスとユフィに色々助言をくれて、その中で彼女の過去や心情も描かれるのがポイント。
割と謎の人物でしたから、どんな願いや想いがあるか明らかになったのが嬉しい。
対して、レイニは「ユフィアニの身近にいる人」「人として二人を支える者」として
描かれていて、行動も考え方もより積極的で前向きです。
というか、ユフィの懐刀としてレイニがここまで成長したんだなあ、と思うと、
書籍版2巻のおどおどした気弱な女の子がこんなに立派に……と泣けてきます。
まさに幕間は、リュミエルとレイニの会話で成り立っていますが、
互いに考えに違いはあるものの、アニスとユフィを助けたいという想いは共通で、
そこも読んでいて心温まる内容でした。
■深堀される王国の国内事情――次の展開への布石?
さて、今回の物語のファクターとして大きくかかわってくるのが王国西部の実情。
隣国との国境守護でありつつも、一方で交易地でもある場所だけに、
いろんな利権だのが絡んでにっちもさっちもいかない、というところですが……
これで今回、パレッティア王国の国内地図が出来上がった感あります。
WEB版では王国西部の描写は無かったですからね。
同時に中央、東部、北部、南部と今巻では触れられていますが、
なるほど、これが王国の概観か、とすっきり見晴らしが効いた印象です。
西部のゴタゴタはエピソードの肝になるので語りますまい。
個人的にとある人物の潔さと、ユフィアニの仕置きが、とてもよかったです。
女王たるユフィと、王女たるアニスがここまで「上に立つ者」として
ビシっと決めるシーンはこれまでなかったので、かっこよかったですね。
ところで隣国とつながる西部について触れたということは、
期待していいんでしょうか? WEB版の皇帝陛下、結構好きなんですよ。
■終わりよければすべて良し――異なる世代のそれぞれの絆。
今回のエピソードの締めはとあるイベントが行われることになるんですが、
それを観覧するために、「親世代」が揃うのもポイント。
オルファンス先王やシルフィーヌ王太后、それにグランツ公、スプラウト騎士団長、など、
彼らもまたかつて内戦という激動の時代を共に駆け抜けた同志であり友人であり、
その彼らの会話をユフィが傍で聞く、というのが良いシーン演出でした。
互いに思い出話に花を咲かせつつも、
改めて動乱を収めたオルファンス先王の功績、
そして彼の仲間たち友人たちの絆が深さがこれまた印象的でした。
話の内容は伏せるとして、ユフィアニにとってもまた、
互いに想う人は一人だけしかいないとしても、
支えてくれる同志や友たちはいるわけで。
読者としてはそのあたりを重ねつつ、
「いつかアニスとユフィにも、友たちと思い出話ができる時が来てほしい」
と切実に願う次第でありました。
■今回も見逃せない! 甘々なユフィアニ!
ユフィが体調不良ということでムフフなシーンはないんですが、
(たぶん「そういう行為は人の欲求だから」じゃないかと推察)
代わりにより深く互いを想い合う描写やシーンがあって、今回も見逃せない甘々が!
あー! 尊い! あー!! となる場面が二か所ほどあって、
本当にこの二人は心から愛し合っているんだなあとなりました。
寝起きのピロートーク、ついばむようなキス、互いの存在を確かめるようなハグ。
このあたりのね、敢えて艶っぽさを排しつつも魅せる「濡れ場」シーンに、
むう、鴉ぴえろ先生、また筆力をあげなすった……!となりました。
というわけで、小説書籍版最新刊の感想を徒然に綴ってみました。
まだまだ続くぞ「転天」の物語! 次巻以降も楽しみだぜ!
そしてできればアニメ二期をぜひともぜひともお願いします!
おしのびデート、アル君との和解、アレとの決戦とか見たいんですじゃああ。
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現代地球ならたぶんプロイセンがヨーロッパで布武してた頃。
いやあ、兵站と兵制を書くだけでも、ここまで読ませるとは!
【たぶんいま一番ホットな戦記ものと言えましょう!】
今回のブログ記事は、こちら。
「『オルクセン王国史』第1巻 買ってみた読んでみた」
と題して、感想などを徒然に語りたく思います。
作者は樽見京一郎先生。
元は【小説家になろう】や【カクヨム】でWEB連載されていた作品です。
昨年2023年12月15日に書籍化されて商業出版。
ミリタリ界隈では「すげえぞこの作品」と静かに話題になりつつも、
Ticoはすぐに買うに至らなかったのですが、このたび、
ある方の勧めで書籍版小説を購入して、ドはまりしましたッ。
未見の方にも刺さる人にはめっちゃ刺さるとおもうので、
ぜひ読んでもらいたいと思い、面白かった点、魅力的な点、語ってまいりますよ!
■戦争を描く前に兵制と兵站の描写で圧倒される!
WEB版の冒頭で掲げられた作者からのメッセージ。
「平和なエルフの国(村)に、野蛮なオークが攻め込んできた」
そんなよく見るフレーズ。
ではなぜオークたちはエルフの国に攻め込むのか。
一つの国を亡ぼすほどの軍勢を、どうやって送り込んできたというのか。
そんな疑問に挑む、ひとつ異世界近代ファンタジー戦記。
そう、この作品はオークの国がエルフの国へ攻め入る端緒から、
そのオークの国がいかにして精兵を鍛え、運用し、
エルフの国を滅亡せしめるに至ったかを描く戦記物なのですが……
まずですね、オークの国オルクセンがどのように成り立っているか、
その兵制はどのようになっているか、兵站はどう運用されているか、
これがすさまじく緻密かつ面白く描かれています。
・オークは大量に飯を食うので兵站の確保が必須
・オーク民を養うには農業と工業の振興が不可欠
・そのためにも多民族共生で補いあう社会が必須
という「オルクセン」という架空の国家に血肉を巡らせるために、
ガツンガツンと骨太の描写を入れてきます。
しかもそれが設定倒れじゃなくて、ストーリーテリングに織り込まれて
読ませる読ませる。気が付くとページを繰る手が止まらない。
オルクセンすごいじゃん、無敵じゃん、チート系国家か?
と読者が思いかけたところで、この物語の語り部である
人物自身の手で思わぬ弱点を指摘されるところは、
ちょっとしたどんでん返しをもらって「あっ」となりました。
精強なりオルクセン。
しかし、物語の語り手は驚嘆しつつも冷静に見つめています。
■語り手たるヒロイン、ディネルースの魅力
さて、本作が不思議とゴツゴツした印象にならないのは、
お話の視点が、亡命してきた黒エルフの族長ディネルース、
彼女の目を通して語られるものによるところが大だと考えるところです。
黒エルフ、いわゆるダークエルフですが、悪の種族じゃありませんよ?
むしろエルフ族では少数民族に属していますが、
その彼女達、黒エルフが「民族浄化」に遭うところから話が始まります。
なかなかハードですよね。
ディネルースは復讐に燃える女戦士なわけですが、
一方でみずみずしい好奇心と感情をもって、
それまで未開の地とあなどっていたオルクセンを目の当たりにし、
驚嘆しつつも、冷静に分析するだけの知性も持ち合わせています。
いわゆる「強いオンナ」なんですよ、彼女。
そんなディネルースがオークやコボルトの将軍たちと交流を持ち、
とりわけ稀代の傑物であるオルクセン王グスタフを見つめるまなざしは
どこか優しく、たおやかなものを感じさせるは作者の筆力の勝利でしょう。
オルクセン王グスタフはオークとしては並外れた知性の持ち主ですが、
その人物描写が嫌味にならないのは、ひとえに本作が
ディネルースという女性を通して語られていることが
大きく寄与していることでしょう。
■買うことを勧めてくださった――コミカライズに感謝!
さて、本作なのですが、昨日1月12日から、WEBコミック「ノヴァ」にて、
野上武史先生の筆によるコミカライズが連載開始となっています!
【グスタフ王がすごいイケメンオークだし、ディネルースかっこいい!】
このコミカライズがさすが野上先生ですっごい迫力ありますし、
原作の骨太さに筆のタッチがビシビシ決まっていて良いのですよ……!
実のところ、Ticoも気になっていた作品で、さりとて
「とりあえずコミカライズ出るなら、待とうかな」状態だったんですよ。
それで、コミック版で読んで行こうかな、と思っていたところへ、
野上先生からこんなツイートが投稿されました。
僕はね、原作版「オルクセン王国史」をね
— 野上武志 takeshi NOGAMI (@takeshi_nogami) January 13, 2024
商業出版で完結まで読みたいんですよ。
そのためにはみんなにTHORES柴本先生挿画の、美麗な原作を買って欲しい!
だからコミカライズ版は、原作版をみんなに読んでもらい、買ってもらうために描きました。https://t.co/LlDkbkrSSC
つまりですね。… pic.twitter.com/JAK92OrarV
むお、たしかに! 原作小説を本買いしないと続かないわ!
というわけで、Amazon Kindleですが、電書版をぽちっと購入。
ホントは紙の本を買うのが一番の応援なんだろうけどね……
そして、まあ、書籍版小説を読んで見事にドはまりした次第です。
続きを……読みたいけど、WEB版を読みだすとキリがなさそうだなあ。
書籍版2巻を切実に待つ次第です。
年明け色々あって、メンタル的にごろごろしてたんですが、
こうやって面白い本と巡り合えると、癒しにも励みにもなりますなあ……
骨太かつ考え込まれた舞台設定と物語に酔いましょうぞ!
『オルクセン王国史』、戦記物として極上の逸品ですよ!
]]>色々新年イベントこなした後、2024年最初に見たアニメがこれ。
もう作品アートからして叡智系だと分かりすぎる本作。
いや、とんでもない作品が始まったもんだと驚愕しましたよ。
ところが、原作コミックスまで手を出したところ、
「……これ、単なるエロ売りの漫画じゃないぞ!?」と別の意味で驚愕し、
今回のブログ記事を書くに至った次第。
と言うわけで今回は
「『魔法少女にあこがれて』を推してみる」
と題して、アニメの魅力と原作コミックスの魅力、
この二つから本作の熱いところを語ってみたいと思います!
■ファーストコンタクト:アニメ版の衝撃
まず2024年冬アニメの初弾として放送・配信された本作第1話を
見た時のTicoさんの感想がこれ。
「 #魔法少女にあこがれて 」第1話視聴。今季随一の叡智枠とお見受けしました。えーと……痴女ルック、触手拘束、スパンキング、生着替え、くすぐり責め、あられもない表情(意味深)、とまあ上級者向けの癖満載でぶっとんでました。いいぞもっとやれ。がんばれ、うてなちゃん。#まほあこアニメ
— ticoruzel (@ticoruzel) January 4, 2024
……煩悩まるだしやないですか(あきれ)。
実際、監督がかの『To Loveる』を手掛けた方ということで、
こういう叡智な描写には定評がありすぎるんですが。
単なる叡智枠というだけでなく、少女同士の絡みということと、
主人公がヴィラン側で、だんだん自分のS性癖に目覚めていくという
展開に何か滾るものを感じてしまったのですよ。
「Sに目覚めていく過程を描くのは斬新だ」と評されていて、
だからこそ、これから主人公の柊うてなちゃんが
どう転がっていくかが楽しみであり、待ちきれなくある。
そこで当然のごとく、原作コミックに手を出した次第。
幸い、Amazonではprimeで3巻まで無料で読め、
kindle版もセール割引して販売されていたのですが……
原作コミックスを読んで頭をガツンとされた気分でした。
そしてこう思った次第――
単なるエロではない、認識を改めねばならない、と。
■セカンドインパクト:原作で語られる悪の矜持の在り方
さて、原作コミックスは、なんと既刊10巻まで出ております。
結構、知る人ぞ知る名作だったんですな。
面白いけど、人にお勧めしづらい、そんな感じ。
ここでTicoが「頭をガツンさせられた」のが、原作コミックス2巻最後のエピソード。
アニメ視聴組には、先行きを期待されてしまっているマジアアズールの話なんですが、
彼女がある行動に出ようとしたときに、
主人公であるマジアベーゼ(=柊うてな)は是とせずに否定し、一喝するんですよね。
ここで、「ああ」と得心した次第。
ある意味でタイトル回収。主人公の悪役ムーブは隠れたSの発露ではあるんですが、
同時に魔法少女という輝かしい存在への憧れであり、愛だったんだな、と。
そこからはもうページをめくる手が止まりませんよ。
普段のおどおどして陰キャな柊うてなの姿と、
凛としたヴィランであるマジアベーゼとのギャップ。
他のヴィラン達との絡みや交流。
そして自身の「悪の矜持」を持ち続け、
「最終的に魔法少女に倒される敵役」としての覚悟を示しつつ、
これでもかと自分の癖を満たすためにヴィランの道を突き進む意志の強さ!
特に話が進んでいくと、ヴィランとしての彼女もどんどん貫禄がついてきて、
特にシリアスな場面では頼もしくもあります。
そうなんですよ。この作品はエロだけど、エロだけじゃない。
ヴィランという生き様を通して、柊うてなという少女が成長し、
自分の「好き」と「愛」を探究していく熱いストーリーなんですよ!!
……まあ、結果的にやってることはアレなんだけどな! うん!
■サードインプレッション:個人的にここ好きポイント
・アニメ版の主人公の声、柊うてな役のCV和泉風花さん、良い演技ですよね。
いまのところ、おどおど陰キャ声ですが、責めに回っている時の
ぞくぞくする色気はなかなかのものですし、だからこそ、
先々のエピソードでシリアスなシーンでの声がどう出るかが楽しみ。
・アニメ版、円盤買うのを決めました。これはなんというか包み隠さずに見たい。
特に第2話でムーディな劇伴だけだった時に、マジアアズールがどんな声していたか
声優さんの熱演を聞かねば無作法というもの……
・原作読みとしては、うてな×キウィをはじめ、
あちこちで百合カップルが成立している点もポイント高いですね。
その意味では百合ものが好きな人にもおすすめできる作品です。
・あと色々語りたいけど、ネタバレ伏せるとあまり言えないなあ……
アニメ化の範囲には入りそうにないけど、個人的には
マジアアズールが自分の癖を受け入れつつも昇華させて
さらなる力に変えてるあたりが好感持ててます。
自分を否定せずに肯定して戦う力に変えられる彼女は凛々しいよ!
さて、徒然に語ってみた『魔法少女にあこがれて』ですが、
原作コミックス最新11巻が、2024年1月17日に発売です!
【11巻は魔法少女組が勢ぞろい!】
ちなみにこの表紙、10巻と合わせになっているんですな。
【合わせるとこのようにぴったりと竜虎相撃つ感じに】
単行本最新刊では、マジアマゼンダがついにアレするようですが、
単なるアレでもないようで、気になるところ。
話の黒幕がどうも魔法少女とヴィラン達を戦わせることで、
募っていく想いの力を何か悪用しようとしている節があって、
最終的にどこへ着地するかが気になるところですが……
最新刊のエピソードはそのあたりが少しでも明らかになるのか!?
ちなみにアニメ版は規制版が各種配信で、dアニメストアが最速、
AT-Xでも放送された一部規制解除版はdアニメストア独占となっています。
規制版は結構幅広いプラットホームで視聴できるので、この機会にぜひ。
2024年初っ端から最大の問題作にして名作の予感!
叡智が好きな人も興味がある人もぜひ本作は必見・必読ですぞ!
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あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
個人的には昨年はいろいろ収穫があった年でしたなあ。
エンタメでは、『転天』『ティアムーン』を知ることができましたし、
Audibleという新しい媒体も楽しむことができました。
ゲームという点では、スマホアプリでは『ウマ娘』『NIKKE』を楽しみつつ、
PCゲームでは『FF14』を継続して遊んでます。
一方、フルパッケージのコンシューマはなかなか遊べなくて、
このあたりは年齢からくる気力元気も関係してるのかなあ……
……オタク度合いは変わらないんですけどね。
とと、オタク話題にいきなり振ってどうするよ。
仕事については色々環境変化がありましたが、
10年近く同じ会社に勤めて腰を落ち着ける先を見つけられた感あります。
あと、自身の体調については、最近新しい検査を受けて、
やーっと何がどう原因してたか判明したという大きな発見がありました。
まあ、うん、分かったから何をどう解決できるかってわけでもないですし、
検査結果を知った時はさすがに喫茶コーナーで1時間、コーラを飲みつつ、
レポートを矯めつ眇めつしつつ「そっかー」って半生振り返っちゃったなあ。
まあ、そんなこんなで様々ありますが、なんとか元気にやってるこの頃です。
悩みはないでもないんだけど、とりあえず生きられているから、まあいいや。
ひとまずは、『薬屋のひとりごと』の小説書籍版を読まないとなあ。
既刊14巻……うーん、1月中に読めるかなあ。
なにはともあれ、皆様、今後ともよろしくです。
]]>うおおお、年末にかけてきてるぞ転天の波!
と、ひとり盛り上がっているTicoさんですが、
今年最後のウェーブがついに来ました。
【転天コミカライズ版単行本6巻、本日発売です!】
Ticoは電書組なので、配信されたのを知って夜中に読んで
「ふおお……ふおお……」となっておりました。
というわけで本日の記事は
「『転天』コミカライズ6巻を買ってみた読んでみた」
にてお届けしたいと思います。
ネタバレ感想は伏せつつ、見どころを紹介する感じで行ってみよう!
なお、転天コミカライズ版の感想過去記事は下記をご覧くださいませ。
■表紙から伝わる今回エピソードの「タフ」さ
コミカライズ担当は南高春告先生ですが、
絵の特徴については前回ブログ記事で書いた通り、
目ぢからの強いキャラ造形が印象的なんですが。
今回の収録されている、原作では
「狂乱の夜、来たりて」「誰がための王冠」「小説2巻エピローグ」
などなどの各エピソードのタフさ、壮絶さが表紙に満ち満ちています。
秘めていた激情を露わにしたアルガルド、
苦悩を噛みしめるようなアニスフィア、
困惑に瞳を揺らすユフィリア、
などなど、主要キャラ達の心情が見事に活写されています。
同時にいかにもバトル回であり、想いと感情をぶつけ合うエピソードだと
如実に示していて、本当に良い表紙だなあ、とお見事!
■漫画ならではの場面構築と展開の妙
原作では感情を叩きつけ合う台詞の坩堝、
アニメでは迫力の作画と尺を上手く捌いての構成、
と媒体ごとに見事な見せ方をしている「転天」なのですが、
コミカライズ版も負けていないというか、
むしろ分かりやすさと読者に想起させる感情の展開という意味では、
たぶん一番巧みに織りなされている感があります。
メインはアニスとアルガルドのバトルなんですが、
この二人は単なるアクションや決闘というだけでなく、
互いの想いや感情をぶつけあいつつ、二人を取り巻く切ない過去が明らかになる
壮絶ながらも悲壮な姉弟喧嘩なのですが……
最初はアルガルドが先走った野心や傲慢さが引き起こした事態と思いきや、
バトルが進むにつれて、過去の回想やアルガルド自身の想い、
対するアニスフィアの想いや悔恨が、コマ割りを駆使しつつ
明らかになっていき、ページをめくっていくと
最後には「……この二人、戦う意味ないじゃん!」と
思わず叫んでしまうほどに悲しい運命に共感できる展開になっています。
だからこそ、この二人の決定的な決裂を収めた最後には納得感ありますし、
エピローグの物悲しくも穏やかで優しい空気が、なんとも余韻があります。
このあたりは南高春告先生、良い仕事をされましたなあ、と感嘆しみじみで、
コミカライズ版の展開も先々が楽しみですね!
■そして語りたい、ティルティさんカッコイイ!
あと、個人的に語りたいのがティルティさんの格好良さ。
コミカライズオリジナルな出番はほんの1-2ページ程度なんですが、
魔法省の講演会場でシャルトルーズ伯相手に大立ち回りを演じるのが
もーホントにイイ女過ぎてカッコイイ。
自身は魔法を使うと苦しいはずなのに、表情は疲弊しつつも、
アニスのために助力する理由を語る時の言葉がシンプルながら
本当に力強くて良きなのです。
悪友を自認し、アニスの理想には隔意を抱くティルティだからこそ、
「友」のために無茶もいとわない彼女……良いキャラしてますよねえ。
というわけでネタバレは伏せつつ、コミカライズ版「転天」6巻の感想を綴ってみました。
アニメの放映終了で軽く転天ロスになっていたんですが、
コミックではまた新鮮な驚きと喜びがあり、
小説組もアニメ組も、ぜひコミカライズ版を読んでほしい!
そしてぜひ南高春告先生に原作ラストまでコミカライズしてほしい!
……とかとか思う次第なのです。
と、ここでスッと〆れば綺麗に記事を終えられるのですが、
昨日、思わぬビッグニュースを知りました!
未来を想うアニスとユフィ。
— 『転生王女と天才令嬢の魔法革命』『聖女先生の魔法は進んでる!』原作公式#2月20日新刊発売予定! (@saint_teacher) December 27, 2023
しかし、ふたりが激怒する事件が起きて――!?
――――――――――――
シリーズ累計100万部突破の人気シリーズ
「転生王女と天才令嬢の魔法革命8」
2024年2月20日(火)発売予定!
⬇️#転天 特設サイトhttps://t.co/o0iBkQM52g pic.twitter.com/fw8LxArd8c
小説書籍版『転天』第8巻、なんと2024年2月20日発売です!
ゲーマーズとかでは特典付き単行本の限定版とかもあるみたいですね。
Amazonの書籍情報に掲載のあらすじを見ると、
「アニスとユフィ、キレる。大人気王宮百合ファンタジーの第8巻!
国を安定させるため、アニスは魔学都市の責任者、ユフィは女王として順調に政務を進めていた。
すべては、万全な体制で後進に国を引き継ぐため。
だが、ユフィとアニスの逆鱗に触れる事件が発生してしまい!?」
とかあって、「え、えらいこっちゃ……何が起こるんや……」と期待でワクワク。
書籍版小説はWEB版を下敷きにしつつ、また違う展開になっているので、
8巻はホント何が起こるんだろう、と楽しみでなりません。
まだまだ来てるぞ転天の波!
引き続き応援して、アニメ版二期実現じゃ!
TVアニメ大ヒット
— 『転生王女と天才令嬢の魔法革命』『聖女先生の魔法は進んでる!』原作公式#2月20日新刊発売予定! (@saint_teacher) December 27, 2023
『転生王女と天才令嬢の魔法革命』原作
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転天コンビ待望の新作
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こんにちは、Ticoさんです。
さあ、日曜日です。この作品の最新話配信ですよ!
いよいよ最終回となりました!
今回のブログ記事も、
「アニメ版『ティアムーン帝国物語』第12話を徒然に感想してみる」
と題して綴っていきたく思いますよ。
他に大作が並ぶ2023秋アニメでも、本作は原作ファンのみならず、
アニメ初見勢もなかなかの評価を得ていたように思われます(Tico調べ)。
はたして、最終回は大団円となったのか。
感想か考察かよくわからないままに綴ってまいりますよ。
【アバンでまずシオンに事の次第を説明するキースウッド】
【その間、ミーアとアベルの軽いイチャイチャが入ります】
いや、恋愛脳ミーアからするとイチャイチャなんですが、
アベルにとっては放置できない問題。
だって想い人がシオン王子は呼び捨てにするのに、肝心の自分には王子付け。
そりゃ気になるよねえ。アベルらしい真っすぐさと純情さの発露です。
【大人の余裕で呼び捨てとか大丈夫ですわ】
とか言いつつ、照れ照れになって嚙むあたり、ミーア姫もたいがいウブやん。
【と、イチャついている間に、シオンが観念した様子で詫びを言い出します】
【今回の件、サンクランドの諜報機関「風鴉」が仕組んだことと知るミーア】
【よりによって、前世のギロチンの原因も、サンクランド側の策謀だった、と】
ここで最終回ひとつめのプリンセスムーブだ!
(これは……わたくしが頭を下げられているのと同じですわね)
そう、ここで頭に血がのぼってシオンを安易に糾弾しないあたり、
なんだかんだでミーアって肝心なところを押さえているんですよ。
とにかくミーア姫がまず考えたのは「アベルはどうするのか」ということ。
今回の騒乱はあくまでもレムノ王国でのこと。
ならば、いまシオンを直に処断できるのは、この場ではアベルなのですが……
【アベル王子はさくっと許すんですよね。でも、友人知人だからだけじゃない】
ここでまた勘違いコント発生中なんですが、アベルもシオンも
「最悪の事態を避けられたのは、帝国の叡智ミーア姫のおかげ」と
信じ込んでいるんですよね。
いや、まあ、確かにミーア姫が介入しないと、こうもすんなり収まらなかったけど。
恐ろしいのはミーア自身はノープランでやってきて、偶然と運命を味方につけて、
ナニカの判定ロールでクリティカル出しまくって、この事態を導いたこと。
なお、原作小説も巻を進めていくにつれて、ここまでノープランはないんですが、
それでも偶然任せのアドリブ勝負なところが変に磨かれて行ってしまい、
ミーア姫自身は運命の波に乗っかって事を成すのがお約束になります。
歴史の特異点、怖いわあ。
【ここでシオンに向かって、微笑んでから、優しく言ってみせるミーア姫】
はい、最終回二つ目のプリンセスムーブ!
「シオン、ようやく貴方も知りましたわね。失敗を」
「人間は失敗するものなのですわ」
「完璧に生きられる人間などいない、だからこそ、
せめてやり直しの機会をあたえてあげることですわ」
【わたくしには! 特にわたくしには! 良いこと言ったのに心の声で台無し】
まあ、でもミーア姫の偽らざるところですし、
前時間軸ではやり直したくても状況的にどうすることもできないまま、
ギロチンにかけられましたからね。自分ファースト的には大問題ですわな。
でも、ここでシオンに語ってみせた言葉が、
はからずもミーアの人間観や哲学を如実に表しているように思われます。
罪に対して即座に罰を与えるのではなく、罪を償う機会を与える。
失敗を単に責めるのではなく、リカバリーして汚名返上のチャンスを与える。
このあたりのミーアの考え方は、原作小説ではこの後の
かなり重要な行動原理として利いてくる感じになっています。
【それはそうと、前時間軸の借りは返したいミーア】
ここで最終回三つめのプリンセスムーブだ!
「シオン、あなたがその失敗を忘れぬように、
その身に刻み込んであげますわ」
【そう言ってミーアがシオンにくれてやったのは、へなちょこキック】
【痛くないことに困惑するシオン。ここで意図を深読みしてしまいます】
そう、痛みを伴わず、だからこそ心に恥として刻み込まれる罰、と勘違いコント。
11話までは無邪気に正義マンとして振る舞ってきたシオンは、
ミーアの蹴りによって、初めて心の中に公正の天秤を意識することになります。
自分が今後、正義を行おうとするとき、それが真に正しいか自問せざるを得ない。
シオンはミーアの「罰」をその戒めとして受け取ったという……
原作小説では、前時間軸の「断罪王」から、「天秤王」に称号を変えたシオンですが、
彼の正義のありようが、風鴉の企みとミーアの蹴りで大きくカタチを変えたのは確かです。
【そういった気づきも含めたミーアの意図だとお礼を言うシオン王子ですが】
【もちろんミーアはそこまで深く考えていないので、また勘違いコント】
蹴られてお礼を言うなんて、こいつ大丈夫か!?って顔をしてます。
いや、ありがとう前のシオンの言葉をもうちょっと咀嚼しようよミーア姫。
しかし、ホントにこの帝国の叡智、顔芸が多彩すぎますな。
【さて、あとはダザエフ宰相の身柄を奪還するのみ】
ミーア達がやってきたセリアの街の一画に囚われていると聞いて、
救出作戦が開始されます。シオン、アベル、キースウッドのほか、
帝国からはディオン・アライアも参戦。
【リンシャの案内であっという間に場所は割れます。ボス戦前のイベントカットだ!】
【邸内では、混乱の源を作っていたジェムが歯噛みして悔しがっています】
【おや、何か意味ありげな書物がでてきましたね】
ここでジェムの台詞を追ってみると、どうも事の真相がまた一筋縄ではいかない、
ということが読み取れるんですよね。
「帝国の崩壊を皮切りに、あらゆる国家の連鎖的な崩壊、
秩序の破壊によって訪れる混沌、それこそが【我ら】の悲願!」
勘のいい人はお気づきでしょうが、この「我ら」って、
明らかにサンクランドの風鴉とは別の何かを指していますよね。
風鴉所属の工作員、白鴉のグレアムは非合法な諜報工作をやっていましたが、
あくまで彼自身はサンクランドの正義を知らしめるため、と信じていました。
対してジェムの思想は、反秩序、無政府主義、破滅願望といった様相。
この違い、果たしてどういうことなんでしょうねえ?
【邸宅の制圧はあっという間に片付いてしまう。サクサクいきましょうねー】
【アンヌに髪が傷んでいると指摘されたミーア、洗髪剤が合わなかったと返事】
【いつものシャンプー! 馬用とは知らぬが仏のアベル王子の贈り物!】
ここで最終回よっつめのプリンセスムーブだ!
「わたくし、この戦いが終わったら、
心おきなくお風呂にはいるつもりでしたの!」
アカン、姫様。台詞の前半部分が敵地で言っちゃいかん台詞第一やぞソレ。
【小躍りしている間に地下階段へ足を滑らせるミーア姫! ほれみたことか】
【勢いよく下まで転がり落ちて、身体を起こそうとすると】
【そこには事の黒幕、ジェムのいやーな嘲笑が!】
【できる男、キースウッドがダザエフ宰相の身柄は確保しますが】
【よりによって、ミーア自身が人質になる始末! 首元に刃ぺたぺた】
【そして、ミーア、まさかの粗相……いや、違いますからね、これ?】
階段から転がっている時から、この謎の液体はなにやらまき散らされていました。
上記でも、ミーアの足元だけでなく、右奥にもなんか派手に広がってますね。
こんなダイナミックな粗相があるわけはなく、おそらくこれは……
【においというか香りで気づいたアンヌが「ミーア様、走って!」と叫ぶ】
【そう、洗髪剤のぬるぬる摩擦係数がミーアとジェムをスッ転ばせる!】
【走り出す運動エネルギー⇒回転運動⇒おとこにはつうこんのいちげき!】
偶然力を味方につけるミーア姫が、シャンプーとアンヌの号令の助けを借りて、
見事にクリーンヒットをジェムの股間にくれてやったのでした。ヒェッ。
なお、原作小説ではこれ以後、このレベルのラッキーヒットはありません。
「あくまで邪道だ。これで勝ったら二度とこんな手は使わん」
……どこかで銀河を手に入れたカイザーの若かりし頃の台詞が聞こえますね。
【下手人どもの後始末。ミーアは一味の助命を乞います】
【これに、アベルとシオンは、レムノ革命派を慮っての言葉と捉えます】
はい、また勘違いコント発生しているんですよね。
ジェムたち、ダザエフ宰相を捕らえていた一味を極刑にしてしまったら、
同様の罰をランベールやリンシャにも与えなくてはいけない。
でも、シオンに対して「失敗はやり直しの機会を与えるべき」と言ったミーアです。
義憤から蜂起した彼らには、軽い処罰で済ませたいと考えてこそ、
もっとも罪が重い一味に対しても助命を願っているのだろう、と――
しかし、自分ファーストなミーアは、すんごいプラグマティックな理由で
「敵の命を奪っておしまいにする」という手を避けるんですよね。
【ギロチン後にやり直しができた自分。敵にも同じことが起きないか?】
ミーアにしては、かなり冴えた考え方です。
自分の身に起きたタイムリープ的なことが他の人にも起こりかねない。
うっかり敵を処断して、時間遡行させてしまい、
敵サイドにもやり直す機会を与えては、これまでの苦労が水の泡。
相手の「リベンジ」を回避するために、ミーアは安易に敵を殺さないのです。
理由はすごく自分ファーストなんですが、このスタンスも今後の彼女の
行動指針として重要になってきます。
迂闊に敵の命を取らない。なんだったら救いさえする。
ともすれば不殺を信条とする慈悲にも見えるこの立場を、
本心は実践的な理由でミーア姫は貫いていくことになります。
【代わってミーア姫が考え付いた「罰」が聖女ラフィーナによるお説教】
ミーア姫はヴェールガの聖女さまをどう考えてるんだと疑わしくなりますが、
このラフィーナの説教と審問によって、ジェムの思わぬ背景が明らかになり、
そしてそのことが別の更なる時代の危機を招くのですが……
……それは本アニメ以後の話。気になる人は原作小説書籍3巻から読むのじゃ。
【事態は収まって、セントノエルへ戻っての大団円。皆で和やかなお茶会】
【お菓子の食べかすを口の端に付けたミーア姫を】
【アベル王子が優しく拭ってくれます……イケメンになったよなあ】
ここで四つ目のプリンセスムーブだ!
「こうやって皆様とお茶が飲めるなんて、幸せなことですわね」
学園時代、友に恵まれなかったミーア姫。
飢饉と革命に傾く帝国を救えなかったミーア姫。
長く苦しい牢獄生活の果てにギロチンにかけられたミーア姫。
そんな彼女にとって、いまはまさに幸せの絶頂……?
【否、断じて否です! 自分ファーストのミーアはこんなことで満足しない!】
【空を見上げ、ミーアは心の中で願うのです】
【これがラストプリンセスムーブだ!】
「でも、もっともっと幸せになりたいですわ!」
――ただひとつ変わらないことは、
――ミーアは決して妥協しないということ。
――自分の幸せにも、自分の大切な人達の幸せにも。
【ブレることない自分ファーストを貫きつつ、ミーア姫の運命は続いていきます】
実はこの綺麗な締め方、アニオリ展開だったりします。
原作小説では、もっと日記帳とは別のあるもので、
ミーアは自身の幸せな運命の行く末を知った上で、
「でもこれじゃ幸せが足りませんわ」と拒絶してみせて、
未知の運命を歩んでいくことを決意するのですが……
まあ、そのあたりは原作小説でのお楽しみということで。
3巻からの展開は本当にぶっ飛んでいますし、
それでいてミーアの運命改変力が痛快なので、アニメが気に入った方は原作もぜひ。
というわけで、アニメ『ティアムーン帝国物語』第12話の感想でした。
ミーア姫の変顔と、それに対応した上坂すみれさんの細やかな演技が光ってましたね。
基本的に勘違いコメディであるんですが、原作が持っている「歴史上のシリアス」を
上手く織り込んで映像化したものだなあ、と思った次第です。
さて、そんな『ティアムーン帝国物語』、アニメ化範囲は書籍版2巻までの範囲ですが、
なんとシリーズ単行本はすでに15巻まで発売されていて、WEB版はまだストックがあるという、
実はなにげに一大ファンタジー歴史叙事詩的なサムシングとなっています。
【書籍版15巻の表紙。不敵な笑顔のミーア様がキメ!】
本作アニメで続きが気になった人はぜひ小説版をお読みくださいませ!
さらなるミーア様の運命改変のチャレンジとピンチが楽しめますよ!
最後に、アニメ制作スタッフの皆様、演者の皆様、お疲れ様でした。
アニメ化発表をきっかけにTicoも作品にハマったクチなので、ホントに感謝です。
素敵な作品を世に送り出してくださって、心からありがとうございます!
個人的に……まだまだティアムーン帝国物語を応援していきますよ!
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こんにちは、Ticoさんです。
2023秋アニメもクライマックス前の佳境ですが、
本作も最終回前に原作小説で展開がありました。
【ティアムーン、原作小説第15巻、刊行!】
さて、今回のブログ記事は
「『ティアムーン帝国物語』 原作小説第15巻 買ってみた読んでみた」
と題して、感想などを徒然と語ってみたく候。
内容についてネタバレがあるのでご注意くださいませ。
『ティアムーン帝国物語』シリーズについて、
こちらの記事で紹介しておりますので、ご一読いただければ。
前巻の第13巻の感想記事はこちらとなります。こちらもよろしければ。
■パティに明かされる真実、ちらつく蛇の影
今回の前半で、「謎の少女」パトリシアに、
ついにミーア姫から真実が明かされます。
端的に言えばSTARWARS的に「I am your grandchild.」なんですが、
その告白に至るまでのパティ自身の動揺と、ミーア自身の迷いが
丁寧に描かれていて、本作単なる勘違いコメディではないな感。
そこで意外な「一服の清涼剤」要員となるのが、なんと皇帝マティアス。
なにげに今回の表紙に出ている右側のおじさん、たぶんそうですよね。
(おしのびでクラウジウス侯爵領に来てるので服装は地味)
パティもベルも自分の養女になるか?と言ってみたり、
「わたしよりもミーアの方がいまや帝国の中心だろう」とさりげなく指摘したり、
自身が凡庸な君主だと分かっているからこそ、帝国の叡智たる娘に好きにやらせる
懐の深さを示していて、マティアス帝、なにげに只者じゃねえな感あります。
13巻でパティが登場してから、
過去軸からの現在軸へ至る線が不安定になっている描写がありましたが、
「歴史家の描写」として、明らかに現在軸のミーアの薫陶を受けたらしい
パティの様子が描かれていて、揺らぎは少しずつ収束してるのかな、と。
その一方で相変わらず暗躍する「混沌の蛇」の工作員たち。
今回は帝国最強騎士ディオン・アライアが追い払いますが、
そのディオン自身も意外な弱みを衝かれて取り逃がしてしまいます。
このあたりも蛇の巫女姫を捕らえて万事解決と思った12-13巻から代わって、
生きのこりの火燻狼などがミーア達の影なる敵となって手強い感あります。
■新キャラ、オウラニア姫登場!
さて、後半でまた新キャラ登場です。
3-4巻でちょっとだけ舞台として登場したものの、
あまり深くは関与してこなかったガヌドス港湾国。
その王女たるオウラニア姫が、本作の舞台にあがってまいりました。
のんびりほわわん系の言動ながら、フィジカルは年齢不相応の大女、という……
……「姫様拷問の時間です」のジャイアントみたいな子だなコレ。
ガヌドスとの関係改善を図るために
彼女との付き合いを模索するミーア姫ですが、
のらりくらりとはぐらかす彼女に大苦戦する始末。
まあ、そこで運命からチャンスが転がって偶然が味方するミーア姫。
思いつきから考え出したイベントが、上手くいきそうな予感。
実際、WEB版で少し先を読んでいるんですが、
この出会いが、ガヌドス港湾国を巻き込んで、
ミーアが庇護するヤナとキリルの運命も左右するのですから、
ホントに帝国の叡智の運命改変力はんぱねえな。
というわけで、「ティアムーン帝国物語」原作小説15巻の感想です。
アニメは明日日曜の最終回で締めとなる感じですが、
ほぼたぶん原作小説2巻の範囲なんですよな。
アニメ最終回がどんな形で終わるかは楽しみなところですが、
原作ではいったん確定したギロチン回避の幸せな未来を、
ミーアが「これでは足りませんわ」とお断りしてからの怒涛の運命改変。
まさに自分ファーストを貫き、自分ファーストで行動しながら、
いつの間にかバッドエンド運命を書き換えて関わる人を幸福にしていく力、
このエピックヒーローぢからこそ、本作の痛快さ、楽しさでございますよ!
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タペストリーだけではありません……
12月22日に待望のアレが配信開始となっております!
【Audible版、朗読で展開される転天原作小説!】
先月に引き続きオーディオブック【Audible】版の「転天」書籍小説が配信開始です!
11月は第1巻、その後、ほぼ隔月1巻ずつ、原作書籍版を追いかける形で配信の予定。
ということで、今回のブログ記事は、
「Audible版 『転生王女と天才令嬢の魔法革命』2巻 聴いてみた!」
と題して、感想をまた徒然に綴ってみたいと思います。
前回、第1巻のレビュー記事はこちらから。
Audibleってどんなもの? ということが知りたい方は、
「Audibleでお気に入りの新作出てたので聴き読みレビュー」
上記の記事をご笑覧くださいませ。
■2巻になりノってきた感のある朗読
シリーズのナレーションを担当されるのは土師亜文さん。
有名どころでは、『ウマ娘』でメジロライアンを演じられてますね。
1巻も味わい深かったんですが、特にアニスとユフィの演じ分けで
まだご自身も手探りしている印象もあって、個人的には「がんばれ……!」と
なっていましたが、2巻では結構つかめて来たのか、さらに妙味が増してます。
アニメ版のCVよりも、アニスとユフィともに、しっとりめの台詞声なんですが、
これたぶん意識的にやっているんだろなあ。
というのも、アニスとユフィが絡み合う会話シーンでのウェットさというか、
想いとお慕いがぶつかりあうシーンでの圧がすごいんですよ。
あと、飾らない素の会話がしっとりめなのですが、
アニス様もユフィも外向きの社交会話になると、そのしっとり感がスッと引っ込んで、
いかにも背を伸ばし胸を張って堂々と言葉を武器に戦うぞ、という印象に。
このあたりの場面による演じ分けってアニメでは
あえてオミットされていた感があるのですが、お話が宮廷百合物語だけに、
社交シーンでの凛とした立ち居振る舞いをキャラが見せるのは見どころのひとつでしょう。
■注目! 新キャラの演技はどんな感じだ!?
1、ティルティ・クラ―レット
うーん、イメージ通り! シニカルな見方をする彼女らしい台詞声。
いかにもアニス様と悪友って感じで二人の会話が弾んでいますし、
それを見て嫉妬心を見せたユフィをたしなめる場面での
ティルティなりの複雑な心情とかも声に乗せられていて、聞いててニヨニヨ。
2、レイニ・シアン
朗読の台詞声で聞いた時に「おお」と思いましたね。
アニメでは洋宮さんのヒーリングボイスが印象的でしたが、
土師さんの朗読による台詞声も、幼さあどけなさがしっかり出ていて、
聞いてて思わずガッツポーズ。
原作ではレイニはユフィの秘書役としてどんどん頭角を現すほか、
イリアさんとのおねロリ気味な恋模様も先々控えているので楽しみですね。
朗読でそのあたりの成長がどう表現されるか、待ちきれないなあ。
3、ラング・ヴォルテール
出ましたラングさん! というか2巻ですでに結構出番あったのね。
もういかにも慇懃無礼を絵にかいたような台詞声、
それでいて魔法省に務める自身に誇りを持って相対する堂々さが見事。
ユフィアニとは2巻段階では互いに緊張関係なんですが、
先々書籍版4巻では魔法省の改革に尽力する若手のホープとなり、
最終的に廷臣の一人として席を得るので、彼の変化にも注目ですね。
■Audible版の聴きどころシーン3選!
個人的に転天は最推し作品のひとつなので、
「聴きどころ? 全部だ!」ってなるんですが、敢えて挙げるなら次の三つかなあ。
1、自分の帰省中にアニスが色々画策してたのをユフィが咎めるシーン
原作だとユフィリア弾劾に加担したナヴル君をアニス様が事情聴取に行った直後、
一時的な実家帰省から戻ってきたユフィが、いろいろ動いていたアニス様を咎める場面。
前後の筋の関係から、アニメでの映像化はされていないパートですね。
すごいピンポイントなんですが、帰省前に「隠し事はしないでください」と言い残したのに、
結果として黙っていろいろ動いていたアニス様にユフィが詰め寄るところが、
もうウェット&ウェットって感じでたまらないのです。
こう、なんというかね……怒りと失望を滲ませつつ、それよりもなお重い、
ユフィのお慕い感情が怒涛の波のようにアニス様に押し寄せる様がお見事。
先々で拝める濡れ場シーンの色気が垣間見える感のある場面です。
2、魔学講演の待ち時間でラングを返り討ちにするユフィ嬢
1もそうですが、この2もアニメで映像化されていないシーン。
ラング君の顔見せ場面でもあるのですが、同時に講演の前に、
「ユフィがアニスのためにどう戦うのか」を明確に示した場面でもあります。
最初はユフィが「わたし何も知らないんですの」「教えてくださいませ」という
態度でラングに問いかけ、それに対して彼が滔々と持論を話してみせるのですが、
喋らせた後で「その理屈では貴方たちがアニス様を貶す理由になりませんよね?」と
相手の言葉を逆手にとって、次々に追い詰めてラングがグウの音も出なくなる。
この、言葉での決闘と言えるシーン、原作小説を目で読んでいた時は
読み流していたのですが、朗読で聞き読みすると、会話バトル感あって熱いです。
2巻のクライマックスは後述する壮絶な姉弟喧嘩なのは間違いないのですが、
ユフィがアニスのために「剣を取った」この場面も、後々に繋がる
隠れた山場シーンだなあ、と改めて感嘆した次第。
3、やはり外せない、アニスとアルガルドの壮絶悲壮な姉弟喧嘩
まあ、うん。やっぱり原作2巻のクライマックスというのもあるんですが、
アニメだと互いの台詞がある程度整理されていて分かりやすくされていたんですが、
これは原作小説の朗読なので、台詞やモノローグはもちろん小説そのまま。
だからアルガルド君のぐちゃぐちゃになった感情とか想いが
ダイレクトに耳に突撃してきて圧がまたすごいんですよコレが。
姉であるアニスを慕う気持ち、妬む気持ち、憎む気持ち、しかし愛する気持ちが
もう坩堝みたいにドロドロな台詞回しなんですが、
これを土師さんが見事に朗読というか一人芝居されていて、唸らされます。
もちろん対するアニス様の売り言葉買い言葉も、弟に対する想いが渦巻いて
ぐちゃぐちゃになっていて「ああああ」とか聞いててなるんですよね。
このシーンの壮絶さがあるからこそ、波乱が収まった後、
アルガルドが辺境へ追放されるシーンの穏やかさとの対比が際立つし、
後の巻での各人との和解が素晴らしいものになるんですよなあ……
という感じで徒然に綴ってみたのですが、感想いかがでしたでしょうか。
Audible版は2500〜3000円くらいの価格設定なんですが、
「ドラマCDと同じ値段で10時間はたっぷり楽しめる」と考えると、
結構コスパいいんですよね、オーディオブック。
Audibleも好調、また来てるぞ転天の波!
第3巻の配信は年明け2月、第4巻は4月と随時配信!
12月27日には、コミカライズ版6巻も発売されますね。
大晦日に向けて色々楽しみです!
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JUGEMテーマ:漫画/アニメ
こんにちは、Ticoさんです。
どんだけ転天推しなのか、って感じですが、
またタペストリーを買ってみました。しかも今回はB1サイズ!
【お茶会ユフィアニと題されたタペストリーです】
というわけで今回は
「また追加で転天アニメのタペストリーを買ってみた」
と題してレビュー記事を書いてみたく思います。
過去記事はこちらからご笑覧ください。
さて、タペストリー画像を見た人は「ん?」と思ったかもしれません。
「お茶会」ってどこにティーセットあるの?って。
Ticoも気づいて「???」となってました。
絵としては避暑地っぽい雰囲気の庭園で、
夏向きな服装のアニス様とユフィの仲睦まじい様が描かれておりますが、
これだと単なるラブツーショットになって、なんだったら写真撮影中に
見えなくもない。さすがにまだ写真の発明ないだろうけど。
そこで、色々調べたところ、元々の絵を見つけました。
【本来はこうだ! なるほど、右半分にティーセットですね!】
じゃあ、このイラスト、そもそも何のやつ? ってハナシですが、
どうもこちらのキャラクターグッズ用の描き下ろしのようです。
【もとは「カーテン魂」さんの商品なんですね、これ】
これを知って、「B1サイズ」という大きさにも納得しました。
他のタペストリーは等身大とかでもない限り、B2サイズなんですが、
もともとカーテン用なのをデザイン流用して作ったのなら、
あまりサイズ圧縮して変につぶれちゃうよりも大きく売りたいよねー、と。
【部屋に飾ったときのインパクトがなかなかあります】
原寸大で見ると、
ちょうどすぐそこにユフィアニのカップルがいる感あって、
背筋が伸びますな……良き哉良き哉。
さて、転天タペストリーもこれを買えば、
さすがに物理的にスペースないから打ち止めだろう、と思ってたのですが。
【……POPUPSHOPでバニー姿のユフィアニですと!?】
開催されるのは東京の方で12/26-1/8なんですが、
期間終了後に事後通販もあるとのこと。
そこで、ですよ。このキービジュアルをそのまま
【B2横タペストリー】にした商品が売り出されるというじゃありませんか。
……ええ、はい、そうです。「B2横なら飾る場所がある」んですよ。
というわけで、いま虎視眈々と事後通販開始を待っております。
なんか部屋の半面が大変なことになってますが、
推しカップルが一面に並んでいるのは幸せなことでございます。
めでたいめでたい(転天推しアタマ)。
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こんにちは、Ticoさんです。
さあ、日曜日です! この作品の最新話配信ですよ!
今回のブログ記事も、
「アニメ版『ティアムーン帝国物語』第11話を徒然に感想してみる」
と題して綴っていきたく思いますよ。
ただ、ちょっと急激な冷えでコンディションダウン気味なので、
クライマックス前の今回は省エネモードでまいります……
【冒頭。レムノ革命派のリーダー、ランベールとシオン王子との会談】
【シオン王子は騒乱を起こした革命派の着眼点に警戒の念を強めますが……】
【なんか随分お高そうなアイシングクッキーをひょいぱくひょいぱく】
【見てくださいよ、帝国の叡智、皇女ミーアの満足そうな顔】
【こんなお菓子を用意できるとは只者ではない、とミーア姫そこじゃないでしょ】
シオン王子はこのエピソードを通じて山場の決闘シーンまで、
シリアス度をどんどん高めていく、ある意味で自分で追い詰めていくんですが、
対するミーア皇女は自然体で自分ファーストを通していくのが愉快であります。
【シオンの懸念も構わずに供された風呂を堪能するミーア皇女】
アレよね、ボディガードを自ら任ずる関係上、そばにいなくてはいかんけど、
年頃の少年で生真面目なシオンにとって、
風呂ドアごしのお湯の音は気の毒だよなあ……
【アベル王子にもらったシャンプーより泡立ちがよくない、と言うミーア姫】
【それ馬用シャンプーでは、と驚く&呆れるリンシャさん】
【対してニッコニコで敵地奥深くでお風呂堪能のミーア姫! ブレない!】
【翌朝に急報。王国軍の増援が街道そばの砦に陣を構えたとの知らせ】
【率いてきたのがアベル王子と聞いて、いざという決意を固めるシオン王子】
【高まるシリアス度についていけないまま、ミーア姫はついていくと口にします】
ここまでのミーアって本当に何も展望ないんですよね。
アベル王子に会いたい、会えばなんかなんとかなるだろう、と。
能天気というよりも、恋愛脳が導いた自分ファーストならではの思考です。
でも、それでこそ、彼女は変に高まっていく緊張感に呑まれずに振る舞えたと言えます。
【どこかの牢獄。囚われているダサエフ宰相が頑として要求をはねのけてます】
【相対している陰気な顔の男が、ジェム。最後のキーパーソンです】
ここの会話を取り出すと、このジェムという男がダサエフ宰相の身柄を押さえ、
もろもろの騒乱の発端を引き起こしたことが窺えますが……
まだこの時点でジェムがどの陣営に属する何者かは分からないんですよね。
たぶん明かされるのは次回、第12話最終回かな?
【一方、レムノ王国軍。ベルナルト将軍がいつ街に押し入るかを尋ねています】
【決断を迫られるのはアベル王子。ここでもシリアス度が高まっています】
【そこへ、街からやってきたシオン王子とミーア姫が!】
【想い人であるミーア姫の顔を見て、一瞬笑みを見せるアベル王子ですが……】
【民の弾圧に加担するのか、と厳しく糾弾するシオン王子】
【王権の秩序は守られなければならない、とつっぱねるアベル王子】
ここ、少年王子二人ともにシリアス度を互いにぎゅんぎゅん高めているんですよな。
冷静に考えると、レムノの国内問題にサンクランドの王子が口出しすることは
ぶっちゃけ内政干渉なんですが、シオン王子は正義の人なので……
ただ、それ以上に互いを認め合う友人だからこそ、
「非道を為すなら友として止めねば」「友が相手でも通すべき意地がある」
と、ここでの二人は友情関係が災いしてエスカレーションしてる感あります。
【一方、自分ファースト恋愛脳のミーア姫はシリアスについていけていない】
もうとにかくアベルに会いさえすれば、あとは愛の力でなんとかなるだろう、と
お抱え作家のロマンス小説の読みすぎなお気楽思考でいるんですが、
でも、だからこそ、ミーア姫だけが、この後待ち受ける王子たちの対決で、
ひとり「おかしい、やめて!」と言い出せる【権利】を持っていたと言えます。
だってミーア姫は高まるシリアスにまったく吞まれてませんから。
【砦の城壁上、真剣でのホントの決闘をすることになるシオンとアベル】
【さすがにここに至っては二人とも本気だと感じて、たまらず声を上げるミーア】
【この決闘シーンが今回のエピソードの山場! 気合入ってますよね】
先の学園剣術大会とは比べるまでもない、びりびりしたシリアス度!
【この、剣の切っ先で血がしぶくカットが、なんとも緊迫感!】
【アベルの受けた傷の方が致命傷になりかねないあたりが技量の差か】
ここ、原作ではシオン王子は平服、アベル王子は防具着用で相対して、
アベルは防具ゆえに致命の傷をかろうじてかわしている描写なんですが、
そこは厚着の陣中羽織で代えた感じですかねえ。
実際に剣を交えだすと、もうシリアス度は最高に。
ミーアの止める声など、二人の耳にも、この場にいる誰にも聞こえていません。
まるで、二人が決闘しどちらか倒れるのが必然かのように。
【届かない自分の声に、ミーア姫が思い出すのは前時間軸の自分】
【殺気立つ民衆相手に呼びかけても、彼らには届かなかった声】
蜂起した民衆と、決闘する友人の王子二人。
相手こそ違いますが、ここは前時間軸でミーア姫が果たせなかった宿題、
そのやり直しをやっているとも捉えることができますね。
【涙を流しながら、それでもミーア姫は声をあげます】
ここで今回エピソードのプリンセスムーブだッ!
「シオン王子、アベル……」
「お願いです、お願いだから……」
「……死なないで!」
まさに決死の思いで悲劇を止めたい姫君の言葉ですよ!
そして、その姫を支える忠臣たちが、いまのミーアにはいるんだから!
【疾風のように駆けて、たちまち王子二人に割って入るディオン・アライア!】
【面白いよね、前時間軸でミーアの命を刈った男が、ミーアの心の願いをかなえる】
【ディオンさん、なんだかんだ口で言いながら、今のミーア姫を気に入ってますね】
【ディオンという帝国最強の駒をこの盤上に呼んだのはまさにアンヌの功績】
【知恵袋のルードヴィッヒも来てくれますが……おい、なんだその目線は】
【ディオンもミーアの言葉を待っています……え、待っている?】
【待たれても、ミーアはノープランなんだよなあ】
【精一杯、考えを巡らせて兵士たちに呼びかけるミーア様ですが】
【ぶっちゃけアドリブなので、いろいろグダグダ気味です】
【ベルナルト将軍に異を唱えられて必死に考えるミーア姫。顔芸ッ!】
ちなみにミーア姫のアドリブ勝負は、この後も変わらず続いていくんですが、
原作では巻を重ねるにつれて、場の雰囲気を読んで巧みに乗っかって
自分の考えに皆を巻き込んでいくスキルが発達していく姫様です。
【ミーアの感じた違和感は、前時間軸との比較】
革命に倒れたティアムーン帝国と、騒乱の起きたレムノ王国。
どちらも最終的にサンクランド王国軍の介入が事態を決定づけました。
ティアムーンとレムノ。それぞれ国内事情は異なるはずなのに、
決定打にサンクランドの存在がある点があまりにも不自然すぎる。
【正義マンの国サンクランドを表に立たせる何者かを察知するミーア姫】
【でも、これを説明するには前時間軸の話も必要。困った!ってところで】
【真実を告げる黒鴉を連れたキースウッドと、ティオーナが駆けつけます】
【無事を喜ぶシオン王子に対し、キースウッドは渋面を隠し切れません】
「我らにとっては悲報かもしれませんよ」
そう、正義を信じるシオンにとっては残酷な真実が待ってるんですよね。
――って、ここで引きになって最終回へ続く! 気になるなあ!
ということで、省エネ気味ですが、第11話の感想を述べさせていただきました。
砦での決闘シーンからミーアの呼びかけ&説得説明シーンって、
舞台演劇っぽい構成や演出になっている感じがするんですが、
これ敢えてこういう形にしたのかな、とTicoには思えました。
皆、役割を振られたようにシリアスと悲劇を突き進む中、
「1周目の公演に参加している」ミーアだけが、自分ファーストを振りかざしつつ、
何者かの脚本にのっからずに、演目をぶちこわしにかかることができる。
今回の後半を見ながら、そんなことを感じた次第です。
ミーア姫が原作小説の中で、今後、歴史上の特異点になっていくゆえんですね。
さあ、次回第12話はおそらく最終回。
ラストは大団円じゃないと、運命改変の意味がないぞ!
頑張れ帝国の叡智、ミーア皇女殿下!!
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こんにちは、Ticoさんです。
さあ、日曜日です! この作品の最新話配信ですよ!
今回のブログ記事も、
「アニメ版『ティアムーン帝国物語』第10話を徒然に感想してみる」
と題して綴っていきたく思いますよ。
今回はちょっと構成を変えて、現時点で分かってきたレムノ王国革命編の
諸勢力=プレイヤー達にフォーカスして感想考察していきたいと思います。
■ミーア皇女とシオン王子
【第10話の時点ではキースウッド達とはぐれて、このコンビで行動することに】
レムノ王国革命編での主人公にしてワイルドカードなんですよね、この二人。
ミーア皇女が主人公なのはもちろんなんですが、
なにげにサンクランド王国の正統後継者であるシオンもついているのが大きい。
実力介入の勢力としては「ちょっとデキる少年少女」なんですが、
背景に背負っている名声や権勢がワイルドカードたらしめています。
【まあ、ミーアはか弱いからさっくり誘拐されるんですが】
【偶然力でさっくりと革命派のキーパーソンに接触するあたり、つよい】
【シオンも黙っていずに、すぐにミーア救出に来るあたり、良いヤツですよね】
この二人にフォーカスして見てみれば、前時間軸の敵同士なんですよね。
いわばレムノ王国の革命騒ぎって、シミュレーションを体験しながら
ミーアの主張とシオンの正義を視聴者に問いかけていく形になっています。
そのあたりが如実に出てきたのが、レムノ王国の宰相が幽閉されたと聞いて、
正義マンらしく憤ってみせるシオン王子と、違和感を呈するミーア皇女。
これ、前時間軸でミーア自身が体験した疑問の検証も兼ねています。
【シオンがミーアを処断した理由が、ルドルフォン辺土伯の謀殺でした】
【しかしミーア姫の知ってる皇帝は臣下を妬んで処断する人ではないんですよ】
革命というゴタゴタについて、帝室が責任を取らされるのは仕方ないとして、
詳しく調べもせずに「こうに違いない!」「お前たちがやったに違いない!」と
決めつけてギロチンにかけてくれた革命派とシオン王子。
その時と同じ違和感を今回のレムノ王国の騒乱でも感じているミーアですが、
正義マンのシオン王子はとにかく正義感に燃えて判断しがちなんですよね。
【アベル王子に会いたいだけなのに、なんか革命騒ぎに巻き込まれるミーア姫】
まあ、そんなミーア姫なんですが、
「帝国の叡智」としての存在を「知ってる奴らは知ってる」ので、
いろいろ警戒されているのがポイント。叡智の評判に敵も目が眩まされているよね。
■レムノ王国軍とアベル王子
【レムノ王国の誇る金剛歩兵団! 名乗りはめっちゃ強そう!】
王国の最精鋭部隊である金剛歩兵団なんですが、
これってプロイセン王国にあった「ギガンテス」と同じ感じなんですよね。
レムノって軍事力に力を入れている国なんですが、
「腕っぷしを見せつけて周辺国家に睨みを利かせている」のがポイント。
国王も丹精込めて育てた精兵を脅しに出したりするけど、
国内騒乱の鎮圧レベルの「誉れのない戦い」で損ないたくない。
なので、金剛歩兵団の指揮官に「一兵も損なうな」と無茶振りしてます。
まあ、この無茶振りが結局は時間稼ぎに役立つことになります。
【ここでキーマンになってくるのがアベル王子】
とはいえ、騒乱の鎮圧が進まない状況で、兵を鼓舞するために王族の出馬となりますが、
そうなると第二王子のアベルにお鉢が回ってくることになります。
この状況、シオンが言っていた「民衆にアベルが剣を向ける状況」なんですが、
それを目にした時のシオンがどう行動するかが気にかかるところです。
ところでアベル王子の存在……というか、彼の変わりようが
思わぬところで影響して、この騒乱を解決するドミノの一つに繋がっていきます。
■風鴉、白鴉のグレアムと黒鴉のモニカ
【ミーア皇女からアベル王子への手紙を解読しようとするグレアム】
さて、黒幕らしい黒幕がやっと登場です。
サンクランド本国へ「レムノ王国で騒乱あり」として軍事介入の要請をしてきた、
諜報機関「風鴉」の構成員であるグレアム。
「風鴉」=サンクランド版CIAって感じなんですが、
グレアムが口走っている内容がどう見ても不穏。
ティアムーン帝国での企みが全部ミーア皇女に潰されたこと、
だから標的を変えてレムノ王国で革命騒ぎを起こそうとしたこと。
もーう、悪事が口から駄々洩れやないですか。
【そら同じ構成員であるモニカから「独り言が大きすぎる」と窘められますよ】
レムノ王国に潜入しようとしたミーア皇女とシオン王子を排除しようとしたのも
こいつですが、「帝国の叡智」の影にびびりまくった挙句、
よりにもよってサンクランド本国へ偽情報を上げて軍事介入を急がせる始末。
どうみても諜報組織の暴走なんですが、モニカとグレアムで役割が違うんですよね。
モニカは「黒鴉」の所属、普通に本国の意志に忠実な諜報員なんですよ。
対してグレアムは「白鴉」の所属。
サンクランドの正義と公正を信じて、そのためなら他国を不安定化させて
本国に軍事介入させてサンクランド流正義を知らしめるのが大義、
そのためなら破壊工作バンバンやって構わないというヤバイ連中。
「白鴉」自体、何者かが仕組んで、諜報組織「風鴉」の一部が変質したものですが、
当のグレアムは正義を盲信していて何やってもいいと考えてます。
【モニカ自身、疑問は持ちながらもレムノ王国の不公正に憤っています】
【ただ、そんなモニカをすんでで翻意させたのがアベル王子なんですよね】
ここの、モニカとアベル王子との会話がターニングポイントのひとつになります。
正確にはアベルの言葉を通じて垣間見える「帝国の叡智」が影響してきます。
サンクランドの正義を信じながらも、現状の「風鴉」に疑問を持つモニカ。
人間として成長したアベルを通して何かを見出した彼女は、
グレアムの意に添わない行動をとることになります。
【モニカが放った伝令鳥は二つ。白い鴉と黒い鴉】
白い鴉はグレアムが命じた通り、本国への軍事介入を要請する内容。
そして黒い鴉は本国の誰かに宛てた、風鴉の一連の事実を告発する内容。
いわばモニカは組織を裏切る決意をしたわけですが、
その理由がたぐっていくとミーア姫の行動にいきつくあたり、
第3話「種を蒔く」がここでもわっさわっさ生い茂っていますね。
■レムノ王国の革命勢力
【蒼巾党という自称からして何かアカン感じがするのは気のせい?】
さて、肝心のレムノ王国の革命勢力なんですが、そんなに大きくない。
街の不満分子が決起して市長を追い出して、一時的に占拠しています。
民衆蜂起ではありますが、実は革命というほど大きな騒ぎでもないんですよね。
サンクランド側は「民衆が重税に耐えかねて蜂起した」と認識してるけど、
当の本人たちは宰相であるドノバン伯の釈放を訴えているところも
事実の齟齬になってきています。
じゃあ、誰が騒ぎを大きくしているのかというと、
間違いなくその一人は風鴉のグレアムということになります。
これ幸いと大げさに騒ぎ立てて、しかも工作までして民衆を煽っている。
【そんな革命勢力の指導者になっているのが、ランベールという青年】
扇動演説の上手い彼がどんな人物かは、次回明らかになると思われますが……
顔つきからしてそれなりに熱意と真摯さはありそうですけど、
謀略向きではないですよね。
【対して、実の妹のリンシャは革命騒ぎを止めたいと思っている】
リンシャは結構自分たちのことを冷静に客観視していて、
「不平屋の集まりでしかない」と見ていて、
大騒動を起こして長く持つとは考えていないんですよね。
ただ、革命勢力内に密かに流されていた指示、
「帝国皇女ミーアは革命の邪魔になるから見つけ次第捕らえろ」
というのを逆手にとって、
「それだけの人物なら、この革命騒ぎもなんとかしてくれるはず!」
と、革命勢力側だけどミーア達の味方に回ってくれるんですよね。
買いかぶられてるなあ、帝国の叡智……
ちなみにリンシャさんは脇役ながら、アニメ化以降もミーア陣営の一員として
色々と活躍がある人です。気になる人は書籍版原作小説3巻以降を読むのじゃ。
【リンシャはランベートにミーア達と話をするように訴えますが……】
さて、ここまで追ってみて、
革命勢力側で名前だけ出ていてまだ顔も姿も現していない人物がいます。
交通の要衝であるドノバン伯の領都で騒乱を起こすことを決め、
ミーア皇女を捕らえるように指令を出した、「ジェム」という人物。
まったく得体がしれませんが、果たして何者でしょうか。
グレアムの手の者か、それとも……
■ティアムーン本国、ミーアの忠臣たち
【アンヌ、帝国本土へ戻ってルードヴィッヒに急を知らせていました】
さて、今回のエピソードシーンと順番が逆になりましたが、
ティアムーン本国でもミーア皇女を慮って動き出しています。
【プリンセスガードを派遣するわけにはいかない、となると……】
盤上に駒は揃いて――
そうですね、一騎当千の騎士がひとりなら、駆けつけられそうじゃありませんか?
というわけで今回も徒然に感想を綴ってみました。
今回はどちらかと言うとエピソードの情報整理って感じですが、
アニメではかなり整理されて構成されていましたが、
ここは原作でも色々な人物の思惑が入り乱れてややこしいパートでもあります。
ただ、一点面白いのが、どの人物も「帝国の叡智」ミーア皇女を意識していて、
彼女を念頭に行動せざるをえない状況だというところだったりします。
このあたりの巻き込まれ力はさすが主人公ですし、
第11話、第12話と山場ではミーアがどう動くかで事態がごろごろと
転がる予感がしていて、楽しみですね。
いよいよクライマックスの予感を感じさせつつ、
レムノ王国の騒乱はどうなるのか……首を長くして続きを待ちたい!
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さあ、日曜日です! この作品の最新話配信ですよ!
今回のブログ記事も、
「アニメ版『ティアムーン帝国物語』第9話を徒然に感想してみる」
と題して綴っていきたく思いますよ。
ちなみに昨夜、フィリピンで大きな地震があった関係上、
使用画像に津波注意報が表示されております……ご容赦のほどをば。
【ごきげんでセントノエル学園に戻ってきたミーア姫!】
もう鼻歌を歌い出しそうな勢いでゴキゲンに
「学園に帰ってくる日が嬉しく感じるなんて思ってなかったですわ!」
と言ってますが……そうだね、前時間軸はかなり悲しい青春送ってたね。
前時間軸のミーア姫がああなったのは本人の自業自得ではあるんですが、
思春期にまっとうな人付き合いができなかったことに原因があるのでは。
【クロエにばったり、ラフィーナ様にばったりと出会いますが……】
ここでミーア姫、平民であるクロエを親友だと呼んでいるんですよね。
色々と父親の商会頼りとかもあるんですが、この場面においては、
実に打算なくたぶん本心から「親友ですわ」と言ってるんですよね。
ここ、実は次のシーンに加えて注目ポイントです。
【ラフィーナ様からはミーアが学校を作ったことを問われます】
ここのラフィーナ様、ミーアが設立する学校が身分を問わず入学させることに、
少し硬い調子で尋ねてくるんですよね。
これ、たぶんミーア姫の覚悟というか、信念の程を問うている気がします。
平民も学ばせるというのが、単なるパフォーマンスにすぎないかどうか。
【対するミーア姫の回答はざっくばらんながらも、実感の籠ったものでした】
「才能に出自は関係ないですもの」っていうミーア姫の言葉、
あっさり気軽に答えているようで、実は重い。
前時間軸は、傾いて沈みかけている帝国をなんとかしようとしていたのは、
実に敏腕ルードヴィッヒと、あとはミーア姫ぐらいしかいなかったので。
帝室の藩屏たる貴族たちは国外逃亡したりなんだったりで、
ろくすっぽ当てにならないし、役に立たなかったことを
ミーア皇女は骨身にしみて知ってます。
だから、ミーアの答えが、苦笑交じりのざっくりした答えになっていても。
たぶんラフィーナ様の胸を打ったんじゃないかな。
【その証拠に感極まった感のあるラフィーナ様の顔よ!】
ちなみにラフィーナ様ってアニメ化の範囲では生徒会長の脇役ですが、
アニメ化以降だと帝国の命運を左右するキーパーソンになってきます。
しかも自身の信条に忠実かつ真摯で、お友達にも同レベルのそれを求めてくる割に
そのお友達のことを信じきれないという……なかなか面倒なお人なんですよ。
冒頭のお茶会のシーン、ラフィーナ様の一筋縄でいかない感じがよく出てます。
気になる人は書籍版小説第3巻から読むのじゃ。
【なにはともあれ聖女ラフィーナも我が味方! 来てるぞビッグウェーブ!】
【そこへ駈け込んで来たアンヌから「革命勃発」の知らせ】
【驚愕に目を見開くミーア姫。あっという間に冷や汗だらだらですやん】
【脳裏によみがえるのは民衆の罵声と、ギロチンによる斬首の痛み】
【いや、その「革命勃発」が、アベル王子のいるレムノ王国と知り、再度驚愕】
いやはや、どうなってるんでしょうね。
前の第8話のラストで、怪しげな男たちが「標的を変える」と密談してましたが、
おやおやおや。
【とりあえずミーアを心配した友人たちがぞろぞろと】
ここ面白いですよね。前時間軸ではミーアと仲たがいして敵に回った人達が、
いまはミーアの親しい友として、凶報を案じてやってくる。
第3話のサブタイが「種を蒔く」でしたが、ここにきて色々生い茂ってきた感。
【どうもサンクランド王国は、早くからレムノ王国の政情不安を察知してた様子】
サンクランドの諜報機関、「風鴉」によると、
政情不安に端を発する民衆蜂起と弾圧が予想されるので、
流血の事態になる前にサンクランドが軍事介入するべきだ、と。
「なんで?」となるでしょうが、サンクランド王国って正義マンの国なんですよ。
正しき秩序と善なる国王を頂く我が国こそ、他国より優れており、
ゆえに正道を為すために他国の主権を横に置いて構わんという国だったり。
……そういえば前時間軸でも、ティアムーン帝国に軍事介入してましたね。
サンクランド軍を率いていたのが若き国王となっていたシオンその人でした。
【ミーアにしてみればギロちんから逃れたと思ったら、別のところに!】
【君子危うきに近寄らず。レムノ王国の件を見て見ぬふりをしようと……】
ここのミーア姫、「どういうことなの!?」って自問自答のモノローグが入るんですが、
声の調子が前時間軸のミーアのそれに戻っているんですよね。
ここ、CV上坂すみれさんの使い分け、ホントに上手いなあと思います。
ミーアの理性では他国の革命騒ぎに首をつっこむとかどうかしてると判断しますが、
そこは感情の部分が蓋を仕切れない。ぽそりと「アベル王子」とつぶやきます。
【それを聞きつけたアンヌが、そっと横から声をかけるのが良いんですよね】
「ミーア様、行きたいんですか?」
「だって、ミーア様、泣きそうな顔をしています」
とある考察でアンヌの存在こそ運命改変のカギではないかとしていた人がいましたが、
この場面の彼女ってまさにその立ち位置ですよね。
理性で感情に蓋をしようとしていたミーアに待ったをかけてくれた。
指摘されて、ミーアの目から涙がぽろぽろと。
【ミーアの中で、保身の気持ちと、もうひとつの気持ちがせめぎあいます】
【でも涙をぬぐって、決然と立ち上がって、声を張ります!】
今回のプリンセスムーブ、その1はこの場面!
「行きたいですわ!」
「アベル王子のところへ、わたしは行きたい!」
「どうか、協力をお願いできないでしょうか!」
サブタイ通り、ミーア姫(恋愛脳)の選択なんですよ。
ミーア自身は行ってどうするとか特に考えていません。
ただ、想い人が苦難にあるかもと知って、黙っていられない。
およそ大国の姫君らしからぬ、軽率で危うい行動ですが……
でもこれって、ミーア姫が保身じゃない気持ちから出た選択なんですよね。
なお、動機が想い人な点において、あくまで自分ファーストはブレない。
【自分の商会のキャラバン隊にまぎれて潜入はどうかと持ち掛けるクロエ】
【シオン王子も同行すると言い出します。王子も無茶がすぎる】
【ティオーナも同行を願い出ます。前時間軸とはえらい違いだ!】
続きはクロエの部屋で作戦を練ろう、というところで、
ラフィーナの部屋を出ていく潜入組の王侯子女たちなんですが……
【アンヌの同行をミーアは認めないんですよね】
理由は、馬に乗れないから。何かあった時にアンヌが逃げ遅れるから。
だからこそ、ミーアは彼女に残って、自分の仕事をやってね、と伝えます。
ここ、ミーアが想定している仕事って、あくまでメイドなんですよ。
それ以上の大それたものは求めていない。
でも、ここで本人不在のまま勘違いコントが発生します。
【しょげるアンヌを「あなたは腹心でしょう?」と励ますラフィーナ様】
そう、これも第3話「種を蒔く」でミーアが蒔いた種がわさわさ茂ってきた証。
アンヌを自らの腹心と呼んだミーア。そのアンヌのことも、たぶんラフィーナ様は
腹心たるにふさわしい人物か見てたんじゃないでしょうか。
そして第4話のティオーナ監禁事件でのアンヌの働きも耳にしていたでしょう。
だからこそ、「腹心に足る働きをしなさい」と、ミーアが実際に言ってない
解釈が発生してしまうのです。まあ、それがまた布石になるんだけど。
ちなみにこの件がきっかけでアンヌは乗馬術を頑張り、その結果、
将来的にミーアの絶体絶命のピンチを救うのですが……
そのへん気になる人は原作小説書籍版第6巻を読むのじゃ。
【さて、場面変わってキャラバン隊の荷車の中】
【出発から黙りこくっているミーアを案じる、ティオーナとシオン】
【まあ、本人は荷馬車で酔っていただけなんだがな!】
顔芸していないと死んでしまうんかミーア姫。
なにはともあれ道中は順調のようです。
クロエが手配したキャラバン隊もありますが、サンクランドの諜報部隊が
ルート設定してくれたおかげだ、と、これはキースウッドの言。
スマン、キースウッドさん、「順調」とかフラグ発言ですぜ。
【襲撃者キター! 盗賊って言ってましたが、盗賊って恰好じゃねえ!】
【キースウッドが率先して切り結びに行きます。シオンの従者ですしね】
【シオンとティオーナは剣を構えてミーアを守る格好に】
ここ、原作読みとしてはティオーナの衣装デザインにちょっと注目です。
アニメ版では登場していないんですが、
帝国の隣国、ペルージャンに似た服装に見えるんですよね、これ。
ルドルフォン家は豪農一族みたいなもんですが、
ペルージャン農業国とも関係がある感じの、少しエキゾチックを感じる衣装なのは、
辺土貴族というスタンスを表していてナイスデザイン。
【で、次々くる襲撃者の騒ぎで、馬車から投げ出されるミーア姫!】
【同じく馬車から手を伸ばして、追いかけてくるシオン王子!】
二人して河にざぶーんと落ちてながされてしまうんですよな。
【溺れそうなところを、シオン王子に助けられたミーア姫】
【人工呼吸とかされてしまうのかしら、わたしの初キスはアベル王子に】
いや、ミーア姫、意識があるなら返事せえよ。
ここでも恋愛脳が叡智を曇らせています。
いや、訂正。叡智とか元からないわ。恋愛脳しかなかったわ、この子。
【現実は非情である! サンクランド式救命術は嘔吐式なのだ!】
恋愛脳の選択はこのたびは裏目に出てしまったミーア姫。
【ひどい目にあいましたわ! 思わずにらみつけてしまうミーア姫】
【でもすぐに助けてくれたお礼を言えるあたりはホント成長してますね】
【シオン王子が焚火を起こしてくれて身体を温めるミーア姫】
顔がすっごい緩んでいるあたり、ホントこういうことは正直ですよね。
【しかし、シオン王子は、女の子の肌着姿をさすがに直視できないようで】
【ああ、ほらまた悪い笑みを浮かべているよ、この中身お姉さん皇女!】
ところが、こんなコミカルなシーンを挟んで、
この次の会話が今回のエピソードの山場でもあります。
【焚火を囲んでミーアは問います。シオンの信条を】
「あなたは、アベル王子が民の弾圧に加担していたら、
どうなさるおつもりかしら」
「ご学友であっても、悪に手を染めていたら断罪なさるの?」
【アベル王子に仮借した、断罪された者からの逆告発に近いですよね】
【対して、シオンの答えは――】
アベル王子が民衆に剣を振るったのなら、自分は彼に剣を向けるだろう、と。
場合によっては、それがアベル王子の命を絶つことになっても、
「それは仕方がないこと」「俺にはどうすることもできない」と。
正義の国サンクランドの王子としては、そう答えるしかないよねえ。
ところが、ミーア皇女は……かつて断罪された者は反論してみせます。
ここが今回2つめのプリンセスムーブだ!
「本当に、でしょうか」
「仕方がないというのは、
最後まで必死に努力した者のみが
言える言葉ではなくって?」
前時間軸ではミーアもルードヴィッヒと一緒に頑張っていたんですよ。
帝国を立て直そうと奔走していた。でも、革命が起こり、民衆が蜂起し、
彼らの保護と支援を名目にサンクランド軍が介入してきて、
ミーアは悪しき統治、旧き帝室のシンボルとして斬首されました。
【そりゃー怒るよ、「しかたねー」で首チョンパはミーア怒っていいよ】
まあ、ここで勘違いコントがまた発生していて、
シオン王子はミーアの言葉を、前々からレムノ王国の情勢は知っていたのに、
一国の王子として、または学友として、アベル王子に何か手助けしたのか、と
自身の信条を測られるかのような叡智の言葉として受け取り。
対してミーア姫が思っていたことは、
「革命起こす前に一言何か頂戴よ!」
「君のここ、良くないよ、ってアドバイス頂戴よ!」
という、どこまでも自分ファーストな怒りだったりしたんですが。
でも、前時間軸でミーアの頑張りや奮闘を、結局革命側は情状酌量せずに
悪しきことのシンボルとして処断したのは間違いないんですよね。
【ごろんと背を向けてしまったミーア姫に、シオン王子は思います】
もしかしたら、彼女がアベル王子の元へ行きます、と言ったのは、
このレムノ王国の革命そのものをどうにかしようというのだろうか……
アベル王子が悪を為してしまう前に、と――
うん、シオン王子、考えすぎよ。
恋愛脳なミーア様、シンプルに「アベル王子に会う」だけしか考えてないから。
「会ってどうなる」「会ってからどうする」とか全く頭にないから、この叡智。
【翌朝のミーアとシオン。とりあえず王都を目指すことに】
【ガチで親切な第一村人に遭遇!】
【商人の子と偽ったまま、村に招かれてもてなしを受けます】
【人ごこちのつく食事にたちまち上機嫌なミーア姫】
【シオン王子は革命のことを尋ねますが……】
【第一村人ことドニ村の猟師ムジクは、がははと笑いながら呑気に答えます】
「ここいらのものは忙しくって、
そんなこと(革命)やってる暇ねえのよ」
おやおや、なにやら雲行きが怪しいですよね。
少なくともミーアが知ってる革命はこんなものではありませんでした。
飢饉で食料に困り、人心が荒み、その結果として勃発したはず。
でもこの村の状況を見る限り、食べ物はちゃんとあるし、
村人は安穏としていて、政情不安とは程遠い。
少なくとも、サンクランドが無理やり軍事介入する状況でしょうか?
まあ、そこまで考えて、「頭を使うには甘いものが足りませんわ」で
早々に思考を放棄したんですが。おいこら帝国の叡智。
【一方、引きのシーンで気になるカットが。何者かの男の顔】
【何かを綴った、報告かなにかと思しき手紙】
そういえば、レムノ潜入のキャラバン隊は極秘のはずでした。
ルート設定はサンクランドの諜報組織がしっかり固めていたはずです。
そこへなぜ、あんな手練れの襲撃者が襲ってきたんでしょうか?
彼らは、本当は誰を狙っていたんでしょうか?
おや。おやおやおや。謀略のにおいがしますね……
ということで、アニメ版第9話の感想を徒然に綴ってみました。
今回からミーア姫は「日記帳」という予知アイテム無しに運命に挑んでますが、
だからといって慎重になるわけでも、いきなりまさしく叡智になるわけでもなく、
あくまで自分ファーストを貫いてズンズン行くんですよね。
だからこそミーア姫。それでこそミーア姫。
ゆえにこの先も勘違いの果てに燦然と輝く帝国の叡智!
次回以降、クライマックスに向けての展開が楽しみです!
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