よみがえる中国の兵法

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    よみがえる中国の兵法 (あじあブックス)
    よみがえる中国の兵法 (あじあブックス)
    湯浅 邦弘

    中国の兵法書と言えば、
    「疾きこと風の如く、徐かなること林の如く、
     侵掠すること火の如く、動かざること山の如し」
    と戦国武将武田家の旗にも書かれた風林火山の言葉で
    有名な『孫子』を思いつく人は多いことでしょう。

    本書では『孫子』だけではなく、
    『呉子』『尉繚子』『司馬法』『李衛公問対』といった
    孫子の後継書まで敷衍して解説しており、
    中国の兵法に関して総合的に知ることができます。

    前半では各書の特徴を取り上げて、
    中国戦国時代の軍事思想がどう移り変わっていったかを
    仔細に見ることができます。

    一方、後半では、それらの書物を俯瞰してまとめ、
    中国の兵法に込められた至言のエッセンスを抽出しています。
    この後半部分が実に分かりやすく、そんじょそこらの
    兵法案内書よりもはるかに良く理解できる内容となっています。

    兵法書がビジネスの現場でも役に立つのは知られておりますが、
    この本もかなり役立つ名言を取り上げてくれております。
    「兵法は、一に曰く度、二に曰く量」という計量的思考を必須とする言葉は
    “数字でものを考えろ”というビジネス思考の基本に通じています。

    内容が分かりやすく良質なだけに大修館書店という
    知る人ぞ知るマイナーな出版社から出ているのが惜しい!

    お値段的に1800円は充分な線なのですが、
    講談社あたりの新書で出してもよかったんじゃないかなぁ。

    江戸奉公人の心得帖

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      江戸奉公人の心得帖―呉服商白木屋の日常 (新潮新書 242)
      江戸奉公人の心得帖―呉服商白木屋の日常 (新潮新書 242)
      油井 宏子

      江戸時代に栄えた呉服屋「白木屋」が残した古文書を元に、
      大店で働いていた奉公人たちの日常を描き出そうという本書。
      かなり分かりやすい文章でさくさくと読むことができました。

      古文書は、白木屋での就業規則や不正者記録などが出てきますが、
      「風呂や蔵で浄瑠璃をうなってはいけません」とか
      「服装は華美なものは慎むように」という規則が出てくるということは、
      実際には、奉公人たちは暇をみつけては浄瑠璃に興じ、
      オシャレにもずいぶんと気を使っていたのである―――
      という切り口で当時の奉公人の生活ぶりを浮かびあがらせています。

      江戸時代の奉公人の生活を活き活きと描きだしている一方で、
      白木屋が残している規則なんかは現代の職場でも通用するものが多く、
      一風変わったビジネス書としても読めると思います。
      掛金回収のくだりとか、なかなか生々しいものがあります(笑)


      ちなみにTicoが個人的に面白いなと感じたのは、奉公人の服装規定。
      勤めて五年ごとに着れるものが事細かに定められていて、当時は
      ぱっと見ただけでその人の職歴が分かる仕組みだったのですネ。
      ファッションというのは時代や風土を映し出す重要なファクターなので
      興味深く読ませて頂きました。

      田中御大、大丈夫ですか

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        水妖日にご用心 (ノン・ノベル 840 薬師寺涼子の怪奇事件簿)
        水妖日にご用心 (ノン・ノベル 840 薬師寺涼子の怪奇事件簿)
        田中 芳樹

        破天荒な女王様キャラ、薬師寺涼子が暴れまわるシリーズ最新作。
        かなり楽しみにして買ったのですが、なんというか、その。
        ぶっちゃけ面白くないです。

        世情への皮肉が作品の持ち味のひとつではあるのですが、
        今回はそれがいささかどぎつく、愚痴の類になってしまってます。
        文章を追っていくのが苦痛になって途中から拾い読み状態に。
        終わり方も尻切れトンボな締め方で、これが次回作に続く伏線なら
        いざしらず、本当に締めたつもりならあまりに中途半端です。

        田中芳樹といえば
        『銀河英雄伝説』でスペースオペラの金字塔を打ち立てた
        作家さんで、Ticoが尊敬する人ではあるのですが、
        ブランクを経て書かれた『春の魔術』以降、どうも読んでいて
        著しい筆力の低下が感じられて仕方がありません。

        とりえあずアルスラーン戦記シリーズは風呂敷のたたみ方が
        気になるので買うと思うのですが、薬師寺涼子シリーズは
        当面様子見なことになりそうです。

        一ファンとしては
        「田中御大、大丈夫ですか」と少々心配になる一冊でございました。

        ナツノクモ

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          ナツノクモ 8 (8) (IKKI COMICS)
          ナツノクモ 8 (8) (IKKI COMICS)
          篠房 六郎

          面白いんですが万人にはオススメできないという点で始末に困る作品。

          キーワードは「ネットゲーム」と「メンタルヘルス」。

          詳しい解説はWikipediaにお任せするとして、
          Tico自身がこの作者に出会ったのは「家政婦が黙殺」という短編集でした。
          中身はかなりギリギリの下ネタ満載のギャグもので笑い転げたものですが、
          友人から「『ナツノクモ』というのも描いてて面白いよー」と勧められて
          単行本で読み始めた次第。本日締めとなる第8巻を購入いたしました。

          ネットゲーム上のコミュニティ、「精神動物園」。
          そこはメンタルに問題を抱えた人たちのカウンセリングの場として
          利用されていたのですが、関係者によるリアルでの殺人事件が発端で
          注目を集めてしまい、やがてネット上から動物園の住人を
          追い出そうという動きが起こります。

          動物園の存亡とそれに関わる人たちの心の傷がテーマ。

          ネットゲームが舞台だけにそれを遊んでいると色々楽しめるのですが、
          反面、ネットゲームでは誰しも少なからず仮面をかぶってプレイしている
          わけで、この作品はそのあたりもえぐっていて読んでて背筋が冷えます。

          さらには心の傷や人間関係にも踏み込んでいるので、
          リアルでメンタルヘルスに問題を抱えている人間(Ticoもそうだ!)が
          読むと結構ダメージがくる作品です(笑)


          面白さは逸品なのですが、読むのにちょっと体力いるかも。
          ぜひご一読されるのをオススメしたいのですが、
          しかし万人にオススメできる作品ではないなァ(苦笑)

          精霊の守り人

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            精霊の守り人
            精霊の守り人
            上橋 菜穂子, 二木 真希子

            当初、まったくノーチェックというか、存在すら知りませんでした。
            この「守り人」シリーズ。

            知るきっかけになったのは、アニメ化されたからです。
            攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」の監督をつとめた
            神山氏がアニメ版「精霊の守り人」の監督をする
            と知り、

            「ほほー、ちょっと原作読んでみるかな」と思ったのがきっかけ。
            本屋で探すのはちょいとめんどいので、Amazonでお取り寄せしました。

            で、読んでみたら、これがまた。

            *・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*

            面白い。実に面白いのです。

            元々のターゲットは中学生あたりを読者に想定しているらしく、
            平易な文章ですが、それだけにごまかしがありません。


            作者は文化人類学の研究者だそうで、それだけに文章に
            盛り込まれた風俗の描き方が実に見事。
            風土の匂いが感じられる良質のハイファンタジーです。
            主人公が30歳の女用心棒ってところがちょいと変わっているのもミソ。

            『精霊の守り人』では、まず世界の不思議に触れることになります。
            安い新装版も出たそうで、未読の方は必見の一冊です。

            ちなみに「守り人シリーズ」として一連の作品が出てまして、
             『闇の守り人』
             『夢の守り人』 
             『虚空の旅人』(外伝)
             『神の守り人(来訪編)』
             『神の守り人(帰還編)』
             『蒼路の旅人』(外伝)
             『天と地の守り人(第一部)』
             『天と地の守り人(第二部)』
             『天と地の守り人(第三部)』
            となっております。

            もちろん『精霊の守り人』を読んでピキーンと来た時に、
            全部お取り寄せしましたヨ(・∀・)


            いま『神の守り人』を読み終えたところ。
            物語の世界がだんだんと風雲急を告げる事態になってきていて、
            ページを繰るのももどかしい次第で読み進めております。

            感想はおいおい載せていく予定〜。

            アルスラーン戦記 新刊キター

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              暗黒神殿 アルスラーン戦記12
              暗黒神殿 アルスラーン戦記12
              田中 芳樹, 丹野 忍

              待ちに待っていたアルスラーン戦記の新刊が出ましたッ。

              *・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*

              正直、前の巻である『魔軍襲来』では描写や展開がイマイチで
              田中御大、筆力落ちたのかなあと心配していたのですが、
              今作は冒頭のペシャワール攻防戦が迫力満点で
              気が付くとぐいぐいと田中ワールドに引き込まれておりました。

              読み終えてから、また既刊本を読みたくなってきました。
              ノベルズ版で新しく出ているし、また買い揃えるかなァ。

              彩雲国物語 新刊キター その2

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                彩雲国物語―緑風は刃のごとく
                彩雲国物語―緑風は刃のごとく
                雪乃 紗衣

                先月に引き続いて彩雲国物語の新刊。作者のバイタリティすごいです。

                今回は主人公である秀麗のライバル登場、てとこでしょうか。
                それまでよくもわるくも「特別扱い」だった秀麗が、
                身ひとつになって這い上がる今後に目が離せませんデス。

                愛すべき有象無象たち

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                  本日のむだづかい、計3150円也。

                  『へんないきもの』(著 早川いくを/バジリコ)
                  『またまたへんないきもの』(著 早川いくを/)

                  妙ちくりんなイキモノを集めて、
                  妙にリアルなイラスト付きでオヤジくさい解説をしている本。


                  もー、とにかく「なんぢゃこりゃー」てなイキモノがわさわさいます。
                  地球って広いんだねえ(・ω・)

                  ブックレビュー01『コミュニケーション力』『読書力』

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                    『コミュニケーション力』(著 斎藤孝/新潮新書)

                    よく「コミュニケーション力は大事だ!」とか聞きますが、
                    んじゃーそれって具体的に何で、どうやって鍛えるの? てな疑問に
                    応えてくれる一冊。

                    この本では特に「人と人との面談」について取り上げ、
                    豊かな会話や実のある議論はどのようにすればうまくいくのかを
                    講義してくれています。

                    概念論だけではなくて、メモの効能とその取り方、
                    人の話の聞き方、自分自身の話し方、などなど具体的な事柄も
                    いちいち取り上げながら説明していってくれているのが特に良し。

                    「あ、これいいな」というのがあれば、実践してみるのも吉。
                    コミュニケーション下手な人にはもちろん、会話が得意な貴方も
                    新しい発見ができることうけあいの一冊です。

                    ------------------------------------------------------
                    『読書力』(著 斎藤孝/新潮新書)

                    上記と同じ著者の本。今度は特に読書の効能についての本ですが。

                    要約すると「とりあえず本を読め」につきるかと(-∀-)

                    なぜ本を読むことが大事なのか、本を読むことでどういう効果があるのか、
                    懇切丁寧かつ、熱く熱く語ってます。

                    こっちも『コミュニケーション力』と同じく、具体的な事例を挙げて
                    書いてくれているので、そこからスッと入りやすいのが特長。

                    しかし、文中で挙げている「文庫100冊・新書50冊」てな目標は、
                    学生時代じゃないと、なかなか飛べない高さのハードルですネ。


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